けものみち

まったりと、きのむくままに。

白狐単位帖 巻一

ブログのネタも尽きてきたし、ツイッターで例のアンケートとったらいつもの30倍くらい*1の速度で得票数が増えていったので書くことになりました。はい。

某大某学科けいさんきちほーの専門科目についてまとめてみようと思います。

ちなみに自分の履修したものしか書けないので、無い科目については頼もしい先輩*2に尋ねてください。

なお、これ執筆時点では、3回生後期で履修している科目はテストすら受けていないのでそれについては巻二に書こうと思います。 また、自分が受けた時の内容なので、多少変動していると思います。()内の表記は僕が単位を取得した学期ではなく学科で定められている配当になります。

  • 書いたこと: 担当の先生、配当学年と学期、評価方法、講義の核となる話題とかテストとか
  • 書いていないこと: 単位取得の難易度(それは人によるでしょ)
  • 読んでもらいたい人: 正直やっていけるか不安な人、内容や評価とかの雰囲気を知りたい人、先生
  • 読んでもらいたくない人: こんなもん書いて暇やな、何になるのとか思っている人、大学来なくても単位とれる人
  • 履修していない専門科目: 工業数学A3、技術英語(その他あったかも。。。)

1. 数理工学概論(1回生前期)

  • 先生: 毎年入れ替わり
  • 評価: 主にレポート、出席(講義の感想シート)

3人くらい教授が入れ替わりで講義します。数理コース系のお話が続くのですが、「概論」というだけあってそこまで細かく踏み込んだ話はしません。ちなみにですが、僕が受講した時は、フラクタルのお話、ライフゲームのお話、暗号理論のお話とかやっていた記憶があります。あとは外部からゲストを招いて数理系を勉強するとこんなところで活かせるぞーみたいなプレゼンもあった気がします。


2. 計算機科学概論(1回生前期)

  • 先生: 入れ替わり
  • 評価: テスト、一部レポートと演習(先生によって違う)

こちらも3人か4人くらい入れ替わりで講義です。僕が受講した時は

  1. 高木(直)先生 → ハード系のお話(2進数の話から始めて、CPUやメモリ、アセンブリ言語機械語論理回路のお話)
  2. 五十嵐先生 → プログラミング言語関係(コンパイラインタプリタ、命令型、関数型、論理プログラミング言語の概論、OSとネットワークの話も少しかじった)
  3. 山本先生 → アルゴリズム関係(ユークリッド互除法とかDPとか二分探索とか編集距離とか最短経路問題とか)
  4. 西田先生 → 人工知能関係(人工知能と職業、身近なAIの例と仕組み: 当時はりんなとか流行していた その他情報系の技術: レポートにポケモンGOのことを書いた記憶があります)

といった感じです。前半3人が期末試験、西田先生が3回(各回2,000文字以上)のレポートで評価でした。テストは各パートの基本事項(用語説明とか)をおさえていれば十分に点数が取れます。先生によっては各講義の最後5分で演習問題解いて提出みたいなのもあるので、その演習+αを理解するのが重要です。


3. プログラミング入門(1回生前期)

  • 先生: 五十嵐先生
  • 評価: 数回の課題と期末試験

通称「プロ入」。Java で遊びます。プログラミングの初歩的な部分を学びます。課題では、簡単な図形描画、ゲーム制作があった気がします。期末試験はペーパーテストで、構文の理解度チェック、簡単なプログラムの一部を埋める問題や、プログラムの動作の大まかな説明、バグの指摘(といってもかなりわかりやすいミス)などの問題があったのを覚えています。過去問は公式配布される(優しい!)ので、どんな感じの問題が出るのかはある程度傾向はつかめます。


4. アルゴリズムとデータ構造入門(1回生後期)

  • 先生: 鹿島先生
  • 評価: 中間試験と期末試験(期末の方が配点重め)、出席は救済に使うかもぐらいでほぼ0

通称「ア略」。計算機の理論モデル、計算量(オーダー記法)、ソートアルゴリズム、stack、queue、list、木、探索、グラフ、フロー、分割統治法、DPなどいろいろやります。初めて聞くと「うわ、なんじゃこれ…」ってなると思います。競技プログラミングをするとこの科目は一気に理解しやすくなるので、競技プログラミングをしましょう(この頃からやっておけばよかったって割と後悔しています)。

ちなみに、この科目は定点観測科目で、連続で休むといかにも定型文な感じが臭うメールが届きます。


5. 線形計画(1回生後期)

  • 先生: 山下先生
  • 評価: 期末試験(100)、レポート(20)を行い、期末が60点以上なら期末の点数、期末が60点未満ならmin(60, 期末+レポート)

教科書に沿ってやっていきます。この講義で一番重要(毎年テストに出ている)なのはシンプレックス法や双対性だと思います。 その他の数理計画モデルについての話題はだいたい同じくらいの重要度なので、どれがでてもおかしくはない気はしますが、レポート問題とテスト問題の傾向が似ているので、やはりその辺を解いておいて理解を深めるのが一番いいと思います。アルゴリズム関連の話題がそこそこあるので、教科書みてなんとなく理解した、というよりかは簡単な手計算で実際やって雰囲気掴めばテストはOKです。


6. 情報符号理論(2回生前期)

  • 先生: 西田先生
  • 評価: 中間試験(大嘘)と期末試験

通称「JFR」。情報量の定義や符号化(ハフマン符号化、ランレングス符号化など)のお話から入って、情報源符号化定理、Markov モデル、通信路容量、通信路符号化法などについて学びます。前半はまあ頑張れば理解できますが、後半の内容はめちゃくちゃ難しくて大変です…。ただ、講義スライドと講義ノートは事前に配布されていてとても充実しているのでじっくり読みましょう。

ただ、先生が初回の講義で「みなさんには単位を取ってほしい」と笑顔でおっしゃっていたのをよく覚えています。中間試験は、相談あり、資料参照OKなどかなり制約が緩いのと、時間内に解けなければ、指定日まで提出すればOKという謎仕様で、実質レポートみたいな感じです。この中間試験の回だけやたら人数が増えて、その次の回は人数が激減するのですが、そこで単位関連のお話が出るのでその回に出た人はとてもニッコリすると思います。

期末試験は激ムズです。一応講義の後半が出題範囲となっていた気がしますが、前半も理解していないと当然無理です。 傾向も特になく、付け焼き刃じゃ対応できないことは明らかです。


7. 論理システム(2回生前期)

  • 先生: 高木(直)先生
  • 評価: 演習(約5%)と期末(約95%)、80点以上で合格

通称「論シス」。教科書に沿って進んでいきます。命題論理、論理式とか積和標準形、和積標準形とかのお話から、カルノー図の作り方やクワイン・マクラスキ法を学んで、論理関数の簡単化のお話、順序機械のお話が出てきます。2回生後期のハードウェア実験のCADツールによる設計で使うので、確実に基礎知識として身につけておくことが望ましいです。テストについては、過去問について最終回か最終回の1回前くらいに今こんな感じの問題にしようと思っているみたいなアナウンスがあると思います(僕の時はありました)。また、期末試験受けた後、1日か2日以内に合否メールが届きます。80点以上だと晴れて単位取得、80点に少し満たない場合は、期末試験の自分が誤答したと思われる問題について解き直してレポートとして提出、80点からは遠いものの、一定点数以上の場合は再試験、著しく出来が悪い場合は不合格、と段階分けされます。試験自体はそこまで難しいわけではないので80点は多くの人は取れると思います。


8. 電気電子回路入門(2回生前期)

  • 先生: 下田先生、河原(大)先生
  • 評価: 講義中の演習(20)、レポート(20)、期末試験(60)

教科書に基本従ってやっていきます。高校の物理の電気分野でやった内容あたりからスタートしてオペアンプの話とかトランジスタやらその辺の話が続いていきます。講義中の演習は、その回の講義の簡単な確認問題なので、出席を兼ねた演習と考えればいいと思います。レポートは、トランジスタ関連の部分について、特性やら構造とかを自分で調べて提出、みたいな感じだった記憶があります。期末試験は、先生が「この辺を出したいです」みたいなことをおっしゃるので、そこをきちんとおさえるといいと思います。簡単な用語の説明と、オペアンプは毎年確実にテストに出ている気がします。レポートと演習の配点が大きいので要注意。


9. 計算機科学実験及演習1(2回生前期)

  • 評価: 成果物、レポート、出席(欠席時間が実験時間の1/4以上でアウト)

Java でひたすらソートプログラムを書いていきます。ファイル入出力からはじめ、バブルソート、リスト構造、クイックソート、グラフの話、ダイクストラ法あたりを必修としてやります。ア略をきちんと勉強していれば実装するだけです。何も難しくないです。レポートはダイクストラとかのあたりを中心に書きます。

提出してTAさんが採点するのですが、プログラムが正しく動作しているかよくわからんなぁ、っていう人は Aizu Online Judge で Verify するといいと思います。ただ、入出力に関してはファイルからではなく標準入出力からなのでちょっといじる必要があったり、問題で指定された通りの入力に従わないといけませんが…。Aizu Online Judge は競プロやっている人に限らず、多くの人にとって助けになるので、登録しておいて全く損はないと思います。興味持ったら競プロ始めてみてもいいと思いますし。

この実験は必修課題とレポートやれば単位は来ます。が、良い成績にしようと思うとそれなりに任意課題を詰めないと無理です。任意課題(最後の時間余った人課題を除く)を全部こなしてB、任意課題全部やって、レポートの質も良くてA、加えて「時間余った人課題」もいい感じになっているとA+っていう感じの評価な気はします。


10. 計算機科学のための数学演習(2回生前期)

  • 先生: 玉置先生、末永先生、大本先生
  • 評価: 講義内演習、宿題、期末試験

高校数学くらいの内容からはじめてCSやる上で必要な感じの証明方法を学んでいきます。といっても、入試突破している人ならおそらくこの科目の理解は全く困らないと思います。テストも基本事項の確認です。ただし、基本事項でおそらく大部分の人ができるので、逆に言うとできなければかなり成績で差別化されると思います。某先生が「この科目はいわゆる楽単ですね〜」って講義内でおっしゃっていたのも覚えています。学生が言ったわけじゃないですよ。


11. プログラミング言語(2回生後期)

  • 先生: 五十嵐先生
  • 評価: 課題(2回)、期末試験

通称「プロ言」。毎年微妙に内容は変わりますが、基本的にはオブジェクト指向型と関数型と手続き型のプログラミング言語の違いや特性を比較しながら進めていきます。オブジェクト指向型は Java、関数型は OCaml、手続き型は C言語を用いて、2分探索木を例に進めます。僕たちの代では Lisp も取り扱っていたのですが、2018年度ではなくなっているっぽいです。

理解すべきこととしては、各言語の2分探索木におけるプログラムの書き方の違い、型検査(動的、静的の良い点悪い点)、C言語の値渡し、ポインタ渡し、高階関数とカリー化、匿名関数のお話あたりはかなり重要だと思います。

また、過去問配布があるのと、講義の最終回で、テストに持ち込み可能な公式カンニングペーパーを一人一枚配布するので、覚えきれないところをメモって持ち込むことが可能です。さらに、テストでミスった人には解き直してレポートボックスに提出する救済もあります。この仕組みだとテストに絶起するかテストの点数がやばすぎるかくらいしかもう落ちようがないです。


12. 言語・オートマトン(2回生後期)

  • 先生: 山本先生
  • 評価: 小テストと期末試験

通称「オートマトン」または「トマト」(っ ॑꒳ ॑c)🍅。トマト美味しいよね。

有限オートマトンTuring Machine 、言語のクラスとかその辺の話題です。おさえることは有限オートマトンの仕組み、非決定性と決定性の違いと変換方法、言語クラスの違い(各機械と受理言語の対応)、文脈自由文法、有限言語と帰納的言語と帰納的可算言語の違い、チョムスキー標準形、グライバッハ標準形とCKY法とかその辺ですかね。

小テストと期末試験で評価を行いますが、小テストは「小」ではありません。普通に中間試験です。そこまでの演習をきちんと復習しておいて、講義内容もきちんと理解しておけば難しくはないです。期末は結構細かいところまで理解していることが求められるので、きちんと勉強しましょう。


13. 計算機の構成(2回生後期)

  • 先生: 高木(直)先生
  • 評価: 論シスに同じ

基本的には論シスの続きだと思えばいいです。パタヘネの上巻にそって進んでいきます。論シスと違うのは、もう少しアーキテクチャについて踏み込んだ話をしていきます。アドレスの話とか、オペランド方式の違いとか、レジスタの話とか、加算器の話とか、浮動小数点数の話とか、実行時間とクロックサイクルと、パイプラインの話とかがメインになります。これは2回生後期のCADツールを用いた設計や、3回生前期のハードウェア実験につながる話なので理解しておきましょう。テストに出るところは授業内での演習問題+用語説明、比較問題なので、その辺を中心にやると理解が深まると思います。


14. 計算機科学実験及演習2(2回生後期)

  • 評価: 成果物、レポート、出席(欠席時間が実験時間の1/4以上でアウト)

ソフトウェア実験は marioAI をやります。ルールベースによってステージをクリアする比較的易しい課題から始まって、遺伝アルゴリズムモンテカルロ法といったアルゴリズムを軽く触れます。正直、このアルゴリズムたちは3回生で履修する「人工知能」の講義をとってから理解する方が圧倒的に良いと思うのですが…。 課題は必修が4つ、任意が2つとなっていて、レポートもあります。必修課題4が少し難しく、ステージ内に「そり立つ壁」が設置されていて、それにうまく対処できるプログラムを書けないと延々クリアできません。ここで詰まった人が結構いて、この壁は「留年の壁」と呼ぶ人もいるくらいです(実際これが突破できないだけでは留年しないと思いますが…)。任意課題の最後はかなり難しいステージなので、アルゴリズムをきちんと理解していることが望ましいです。AやIDAあたりがかなり効果的らしいので、実装してみるといいと思います。A*自体理解するのはそこまで難しくないです。むしろモンテカルロとか遺伝よりはわかりやすい気はします。

ハードウェア実験は、オシロスコープの基本的な使い方と微分積分回路構築、論理素子の特徴についてやる実験、spiceツールを用いて、論理回路の設計を行う実験、CADツールを用いてALU、同期式順序回路の設計を行う実験の3つがありあす。どれもそこそこ重いのでテスト前にレポートをためたり、課題をやり残さないように注意が必要です。特に、CAD設計は3回前期ハードウェア実験でも使うのでがんばりましょう。わからないことがあれば、上回生やTAさんを積極的に呼びましょう。そうしないとあっという間に置き去りです。多くの人が使ったことがないツールを使っているのでわからなくて当たり前です。


15. 工業数学A1(2回生後期)

  • 先生: 柴田先生
  • 評価: 期末試験と演習(期末だけで満点可能)

期末試験の点数をx、演習の点数をyとする(xyも0以上100以下の整数)と成績はx + (100-x)y/200 で評価されます。つまり、期末一発でも十分いい成績取れるし、期末ミスっても演習の点数取ればそこまで悪くはならないはずです。逆にいうと、ここまで評価方法が明示されているのだから、成績異議申立てしても著しく間違っていない限りは全く通らないと思います…。

講義の内容としては、複素解析をやります。まず正則関数の定義、コーシー・リーマンの関係式あたりの話があって、そのあとはひたすら留数解析になります。ローラン展開とかも重要なんですが、やっぱり留数解析が講義の中心だったので、期末も5問中3問は留数定理使ってた気がします。演習問題と解答はめちゃくちゃ充実しているので、きちんとやって理解を深めておくことが大事です。なお演習問題そのままや数値変えたみたいな問題は期末では期待しないでください。


16. グラフ理論(計算機)(2回生後期)

  • 先生: 宮崎(修)先生
  • 評価: 期末試験、演習は救済程度

グラフについて有名どころの話がいっぱい出てきます。グラフの定義や表現方法からスタートして、最小全域木とそれに関連するアルゴリズム(プリム法、クラスカル法)、最短経路問題(ダイクストラ)、頂点、辺彩色問題、ハミルトン閉路問題、オイラー閉路問題、フロー(フォードファルカーソンと最大流最小カット定理)、マッチングとかあたりをやります。教科書指定でそれに沿ってやるのですが、教科書がかなりわかりやすくまとまっていますし講義もわかりやすいです。期末に関しては、どこも同じくらい重要なので、ヤマ張らずに満遍なくやっておいたほうがいいと思います。特にアルゴリズムの手順とか、定理に関してはきちんと細かく覚えておくべきです。


17. デジタル信号処理(3回生前期)

  • 先生: 飯山先生、美濃先生
  • 評価: 特殊

科目名が変わると言っていたので、僕らより下の代は確実に科目名が変わっていると思います。内容もちょっと変更かも。 僕らの代は通称「デジ信」でしたが、上の代の先輩は「画処理(がしょり)」と呼んでいたらしいです。

最初の4~5回くらいの講義の間に評価方法を決めます。評価方法は

  1. 飯山先生レポート(10点) + 美濃先生小テスト(10回 x 10点)
  2. 期末試験一発(100点)

のどちらかです。評価方法の選択したあとは一切変更できませんし、小テストもレポートもやって期末もやっていいとこ取り、みたいなこともできません。 1限に出席しないといけない、小テストに備えて毎回予習しないといけないですが、小テストコースの方がオススメです。小テスト1回あたりの勉強量は教科書10ページ程度だし、きちんと小テストの点数開示もしてくれるので、今どれくらいの点数取っているかとかもわかりやすいです。人数比でも受講者の7〜8割くらいは小テストコースだった気がしますし、僕らが受講したときは、小テストコースの人は全員単位取れていました(講義内できちんと公式発言していた)。

内容としては、飯山先生の範囲がシステム関数とかフーリエ変換とかサンプリング定理のお話、美濃先生の範囲が、画像の特徴量抽出やそれに関連するアルゴリズムの話がメインになります。飯山先生範囲はレポート解けばスライドの内容は理解できると思います。美濃先生の範囲は、小テストの際は各手法の目的と手順、なぜその手法でうまくいくのか、他の方法との違いは何かをきちんと整理しておくと良いと思います。お絵描きソフトとか画像加工ソフトとか使って画像をいじって遊んでいた人にとってはかなり楽な科目になると思います。


18. プログラミング言語処理系(3回生前期)

  • 先生: 末永先生
  • 評価: 中間試験+期末試験

実験3ソフト(インタプリタの設計【必修】)、実験4(コンパイラ【選択】)と連動している。インタプリタの章は、MLインタプリタを徐々に拡張、実装していくことによって理解する(説明だけだと難しいので、実際に手を動かしてやると理解しやすい)。そのあとは型推論についてきっちりとやる(ここがかなり重要)。そのあとは、コンパイラのお話や、字句解析と構文解析の話が続く。科目名変更があったらしく、レジュメも結構作り直しがあるっぽいので、内容は変わるかもしれないです。

実験3のソフトウェア実験が始まる前に、中間試験が入ってくると思われる。基本的なOCamlの知識、型付け規則(規則の丸暗記ではなく、導出方法とかなぜそうなるのかをきちんと理解する方が良い)、インタプリタの章のツボ(クロージャとかバックパッチとか…)をきちんと理解しておくことが望ましい。僕らの代では、多相letの型推論を中間試験の範囲でボーナス点を取りたい人向けとして出していた。

期末試験は、過去問がおそらく配布されるので、なんとなく全体の雰囲気をつかんでおくと良いかもしれない。中間でも出る導出木、基本的な用語の説明、理由説明等ができないと厳しい点数がつくのでしっかり対策して臨むといいと思う。字句解析、構文解析についてはスライドがかなり多いが、オートマトンについての知識があればそこまで難しい話はない。コンパイラの章については、過去問に沿って呼出し規約あたりのお話を体系的に理解しておくと良いかもしれない。


19. オペレーティングシステム(3回生前期)

  • 先生: 荻原先生、高瀬先生
  • 評価: 小テスト(1回10点?)+期末試験

科目名そのままである。荻原先生範囲はスライドがところどころ穴ボコなのと、穴ボコの裏にダミーテキストが隠されているなど、結構意地悪なことをしてくる。ちなみに、この先生はダミーテキストの内容等から確実にアニメオタクである。それはどうでもいいとして、応用情報とかの試験に出てくるレベルの内容が多いので理解には特に苦しまないであろう。ただし、物量がめちゃくちゃ多いのでテスト前に一夜漬けで詰めるとおそらく辛い。

高瀬先生範囲は、ひたすら Linux まわりのお話がされる。講義スライドと過去問を見ればなんとなくこの辺が重要そう、というのは雰囲気でわかると思う。やはりこちらも物量は多い。

結論として、この科目、暗記量が異常に多い。他の科目とテストがかぶると間違いなく辛い。


20. コンピュータネットワーク(3回生前期)

  • 先生: 岡部先生
  • 評価: 期末試験(+レポート)

基本期末試験一発である。僕らの代まではスライドに沿ってやっていたが、一個下の代からは英語のテキストに沿ってやっているらしい。ネットワーク関連の話がOSI基本参照モデルにしたがって進められる。その他、関連するトピックが講義の後半の回に話される。こちらもかなり暗記量としては多めである。

期末試験は、大問1が用語説明(複数の中から8つ程度選択)、大問2と大問3が毎年ランダム、という感じである。おそらく公式で過去問公開するはずなので見ておくと良いと思う。レポートについては、出さないと単位が来ない e-learning 関連の課題があったことは記憶しているが、年度によって変わるかもしれない。

暗記量が多めではあるが、比較的採点はかなり優しめな気がするので頑張って取りたいところ。 なお、計算機科学コースではこの科目を2回生のうちに上回履修するひとがそこそこいる(他の科目の知識をあまり必要としないことや2回生はそもそも時間割がスカスカのため、確かにそうした方が良いと思うし、自分もそうした)。


21. データベース(3回生前期)

  • 先生: 吉川先生、馬先生 +もう一人いた気がする(名前忘れた…)
  • 評価: 主に期末試験(中間試験がある可能性も)

関係データベースについての基礎知識、理論と、トランザクションの話、データベース周りのデータ構造のお話がメインになる。結構理論よりの話が多い。吉川先生範囲は、紙でしか資料を配布しないが、この配布資料がかなりまとまっていて詳しいのできちんと理解しておきたい。レポートはほぼ毎週出るが「講義資料のわかりにくいところを指摘する」「簡単な演習(テストに直結しやすい)」なので、1回あたりはそこまで重くはない。

関係代数、関係論理、SQLの話、正規系の話、ERモデルの話、データ構造(B+木とかハッシュの話とか)、トランザクション(ACID特性やデッドロックの話は特に出やすい)あたりはきちんとおさえておきたい。なお、馬先生範囲は、出席率が低い回に「ここ絶対出しますからね」と公言したところが本当にそのまま出ていたので、出席していた人はとてもラッキーでした。

この科目も2回生のうちに上回履修する人が多いイメージです。ただ、実験4でデータベース関連の実験を選択することになるかもしれないので、無理して取る必要はないと思います。


22. 人工知能(3回生前期)

  • 先生: 石田先生ほか
  • 評価: レポート(4回)+期末試験

アルゴリズム関連(DFS, BFS, A, IDA…)、パーセプトロンサポートベクターマシンニューラルネット、深層学習、強化学習過学習誤差逆伝播法、隠れマルコフモデル、パーティクルフィルタ…等いろいろ重要なお話が出てきます。計算機コースに来たならぜひおさえておかないと…(´・ω・`)

レポートは全4回、各回10点で採点で講義を理解していれば十分点数取れるし、返却されて評価もわかるし、なんなら悪かった回については再提出できるので、きちんと得点しておきたい。テストは毎年ランダムであるが、レポートの内容と重複することも多い。なぜそれでうまくいくのか、問題点は何か、用語の説明、方法の説明等、細かいところを覚えるというよりかは概念をおおまかに捉えておく問題が多い。


23. 統計的モデリング基礎(3回生前期)

  • 先生: 鹿島先生
  • 評価: 中間試験、期末試験

ア略と同じ感じである。ひたすら最尤推定のお話。逆にいうと最尤推定理解すれば十分。

テストは基本的な用語確認、高校数学でやったような平均と分散とかその辺の計算から始まり、最尤推定がメイン。中間試験と期末試験で内容が一部重複する。とにかく基本を落とさないように。用語穴埋めで点数落とすと意外と辛いので、用語もきちんと覚えておこう。


24. 計算機アーキテクチャ(3回生前期)

  • 先生: 中島先生
  • 評価: 演習課題(40)、期末試験(60)

パタヘネ上の後半からパタヘネ下の前半を扱う。実験3ハードウェアと関わってくるのできちんと理解しておきたいところ。キャッシュとメモリのお話、パイプラインのお話、ハザードの話、記憶階層の話がメイン。演習の比重が大きいのできちんと解いておこう。過去問もきちんと入手したい。基本的にはハザード関連、キャッシュミスの計算、記憶階層の話題から1問ずつテストに出る感じであると思う。


25. 情報システム(3回生後期)

  • 先生: 田島先生
  • 評価: 主に期末試験

実験4(情報システム)と連動している。情報検索関連の話がメインになってくる。おさえておきたいところは、偽陰性偽陽性、Accuracy、再現度、F値等の定義、PageRank、tf-idf法による文書のランク付け、XPathAjaxなどのお話。テストに出そうなところは毎年だいたい同じである。

この科目も上回履修する人が多いイメージである。同じ曜時限にある「数値解析」を取っても構わない。確かに水曜日を全休にしておくと単位が足りなくなると多少辛いかもしれない。


26. ヒューマンインタフェース(3回生後期)

  • 先生: 石田先生ほか(変動あり)
  • 評価: レポート、期末試験

インタフェース周りのお話。教科書は指定だが、値段が1万円超えるのでよほど興味がある人以外はいらないと思う。講義資料で十分である。何が重要か、と言われると答えづらいのだが、どういった過程で(この辺はソフトウェア工学と絡んでくる)ものを作ればよいか、ユーザ目線に立った時果たして使いやすいか(bad design ではないか)などのお話が続くので、これからものづくりやソフトウェア開発などに携わる人は頭の片隅にでも知識として蓄えておいた方が良い。

レポートはそのままテストに直結するものが多い、ので多少めんどくさくてもやっておくべき。テストは、細かい知識を覚えるよりかは全体をきちんと体系的に理解しておくことが望ましい。手法の説明や比較問題が多い。


おわりに。

この記事書きながら、意外と科目の内容とかって覚えているものなんだなーって思ったし、約3年間虚無みたいな大学生活を送ってきたわけではないのだなと少し安心感はあります。

3年前の「Deep Learningって何」とか言っていた自分が懐かしくなってしまいました。

*1:要出典。

*2:最近では後輩が先輩を「介護」する事例が多いみたいですね。