けものみち

まったりと、きのむくままに。

院試の振り返り

8/6, 7日に大学院入試を受けてきて、無事に合格することができました(っ¯꒳¯c)エッヘン

2019年のイベント(?)の中ではかなり精神的に負担が大きかったので肩の荷がようやくおりました。本当に良かったです…。

そんなわけで、せっかくなので院試勉強の振り返りをしてみます。


はじめにおことわり

追記していたことなのですが、思ったよりこの記事が見られていて、いろいろな人からDMなどで質問などが飛んできています。

学習の際に利用したテキストや参考書あたりは、参考になると思うので記事に書いておきましたが、 この範囲は出ますか?とかこの問題はだれが作っていますか?など、きわどいことを聞かれても非常に困りますし正確なことはわかりませんし、後からクレーム付けられても困るのでこのような質問への回答は学内、学外の方ともに控えさせていただいております。

また、授業資料や過去問の解答を共有してほしいとの声もありますが、講義資料を受講者以外へ再配布することが禁じられているものもありますし、不特定多数へ再配布されても責任を負えないので、基本的にお断りさせていただいています。過去問の解答につきましても、公式でも配布されておらず、一学生が作成した解答を公開することで生じた問題等については責任を負えないのでお断りさせていただいております。予めご了承ください。謝金等用意されても一切応じる気はありません。

過去問自体は、(システムが変わっていなければ)情報学研究科のウェブページに取り寄せ方が書いてありますのでそちらを参考にしてください。

勉強方法については、記事に書いてある参考書をもとに学習していただきたいです。 弊学の講義では、掲載した参考書を授業用にまとめなおしたものが多いので、勉強の際には大いに役立つと思います。私も使いました。

口頭試問等で聞かれる内容は、人によって、あるいは年度によって全く異なるので、一例程度に見ておいてください。

2021年12月追記: もうこの記事も古くなってしまったので、Twitter の DM やこの記事へのコメントでの質問などは受付を終了します。


分析関連

まず院試の傾向を知る

ちょうど自分が受験する1年前くらいに、先輩方が院試の合否についてツイートしたころから、院試ってどういう感じなんだろう?と気になっていろいろチェックしはじめました。「大学入試よりは楽」「普通にやれば受かる」みたいな感じでしたが、過去問とかチェックした感じ正直1年後の自分がこれをきちんとこなせているんだろうかとかなり不安になりました。

研究室と専攻、試験科目

専攻によって結構配点とか科目とか変わってきます。得意不得意があると思うし、研究室との相性も考えなければいけないので早めに見ておくといいと思います。募集要項を眺めてここが良いなというのをある程度絞っておくと良いです。

自分は募集要項と過去問を眺めて社会情報学専攻(以下「社情」と略す)が興味のある研究室が多いし、問題も解けそうな感じがしたので、1年前くらいには仮で社情に行こうと決めていました。教務が近いので過去問にいつでもアクセスできるのが良い点ですね。この辺は外部から受ける人は少々不利な気がします。

社情の試験科目は3つで科目と配点を書いておくと

  • 情報学基礎(150)
  • 専門科目(300)
  • 口頭試問(100, 1日目の情報学基礎と専門科目の筆記試験で足切りされていない人が対象)

になります。ここにTOEICの点数(200点換算)も合わせて合否を決めます。

情報学基礎は、テキストが1冊指定され、そこから大問5問出題されて3題を選択して解答します。基礎科目とあり易しいので9割〜満点取るのが望ましいです。 あまり点数で差がつかない科目だと思うのでしっかり得点しましょう。

専門科目は主に「データベース」「人工知能」「情報システム」「ヒューマンインタフェース」あたりから出てきます。5~6題中3題選択になります。配点が大きいのでここをしっかり取れるかが鍵になってきます。 おそらく7割も正答すれば合格は無事だと思います(小規模で定員が少ない研究室に行く場合はもっと必要かも)。

口頭試問は、自分の研究内容についてまず話した後、教授陣から質問が飛んできます。


院試までの日数とやったこと

およそ1年前

どこの専攻に行くにしろTOEICが必要そう、ということがわかったのでとりあえずTOEICのテキストを買いました。 先輩がどれくらい得点してるのかも一応把握しておき、850~900くらいを目標に頑張ろうと思いました。

昨年10月くらい

TOEIC受験で665点(´・ω・`)

自分の英語力の無さを早めに知れてよかったです…。

この時期に社情の基礎科目の出題範囲に指定されているテキストを購入しておきました。

春休み

院試基礎科目の勉強開始。TOEIC もやりはじめました。 ただ、この時期はあんまりしっかりはやっておらず、だらだらとテキストを読むぐらいにとどめていました。

4月

進級からの研究室配属

研究室配属で院試について結構触れられるので参考にしました。 第1志望か第2志望の研究室に引っかかればいいなと思ってたら第1志望の研究室へ行けることになり勝利。

テキストや講義資料などの収集

専門科目に関わるテキストや講義資料をかき集めていました。 講義にはほぼ出席していたので、紙媒体の資料は全て残っていました。

テキスト一覧は以下の通りです。

  • 情報システム: An Introduction to Information Retrieval
  • ヒューマンインタフェース: Interaction Design: Beyond Human-Computer Interaction
  • 人工知能: UC Berkeley CS188 Intro to AI -- Course Materials (ネットで講義資料が公開されています)
  • データベース: 講義資料(の書籍化されたバージョンが「IT Text データベースの基礎」)

輪講スタート

専門科目の「情報システム」と重なる部分が大きいので真面目に頑張りました。 いつだかツイッターでつぶやきましたが、輪講は学んだことがかなり定着するので頑張りましょう。

TOEIC の途中経過

4月あたりのTOEICで785点に到達しました。最初の受験から +120 点。

5月

作業BGMを TOEIC の Listening の音声に変更しました。もちろん問題集解くのも必要ですが耳慣れしてかなり聞き取れるようになった感覚があります。

5月の下旬に基礎科目のテキストを全部終えました。

6月

輪講終了。

「情報システム」「ヒューマンインタフェース」「人工知能」の順で過去問を解きながら専門科目を完成させていきます。

いつも仲良くしているメンツと勉強会を週3くらいで開き始めました。勉強会していると結構いろいろ情報が入ってくるし、1人でやり続けるよりはストレスがないので良かったかなと思います。

勉強したことは HackMD を用いてまとめていました。

7月

TOEIC の結果が届き、835点となりとりあえず安心しました。

「データベース」もこの時期から詰め始めました。

あとはひたすら過去問を解いたり、まとめノートを見返したりとやれる限りのことはやりました。

8月

最終調整。やれることはやった感じだったので、全範囲を軽くチェックしました。

行きつけのラーメン屋さんに合格祈願しに行きました。試験前日にゲーセンに行きました。何してるんですかね。


院試本番

情報学基礎(試験1日目)

出た問題

うち3題選択。僕は 2,4,5 を解きました。

大問2はセマフォについて説明するのと、プロセス間のデッドロックの発生条件の説明とデッドロック回避手法を1つ挙げるだけで、大丈夫そうなので解答しました。結構丁寧に書いて20分ほどかかりました。

大問4は擬似コードで挿入ソートを書くのと再帰を使うアルゴリズム擬似コードで書くだけでした。 再帰を使うアルゴリズムは教科書にあったのはにぶたんかな〜ということでにぶたんを書きました。丁寧にチェックもしつつ20分程度で完答しました。

大問5はリストとスタックとキューの違いを説明、連続リストと連結リストにおける要素の削除と考察がメインでした。 小問3の「データ型」と「型のインスタンス」の違いは?という問題がなんでこれ出したんだろうというお気持ちにはなったものの20分程度で完答しました。

60分くらい余ったので30分くらい見直して、30分余して退室しました。 その後、食堂へ退避し、午後の専門科目の最終チェックを行いました。

専門科目(試験1日目)

3題選択。僕は 2,5,6 を解きました。

まず問題用紙をパラパラみて大問6のヒューマンインタフェースをみて「あ!これ勉強会でやったやつだ!」とビビッときたので大問6から手をつけました。手が疲れそうになりながら全完しました。とりあえず1/3終わったので一安心です。

次に大問3を一応手をつけました。

小問1がパーセプトロンの学習をサンプルを順次適用させて最後に得られる重みは何?っていう問題でしたが、過去に自分の手でANDパーセプトロンを学習させる手順を書いてみたら、そこそこ時間かかった記憶があったのと、後ろの問題も結構めんどくさそうで時間が取られそうな感じがしたので大問3を捨てました。10分くらいロスはしたものの、この捨てる選択は後で考えるとかなり賢明な判断でした。多分この問題解いていたら素点はもっと低かったと思います。

そのあと大問5の情報システムを解きました。

小問1が Balanced F-measure の定義となぜ適合率と再現率の算術平均を使わないのかという問題で難なく書けました。

小問2がグラフが与えられて、指定したノードの近接中心性と媒介中心性を一番大きく上昇させるにはどこに1本だけ辺を加えたら良いかという問題でした。一瞬面食らってパスしましたが、落ち着いて考えると意外と答えの候補が少ないことがわかったので解けました。わーい。

小問3は PageRank と HITS の問題でした。問題文が長いので書きませんが、設問に対して結論をどこに落とすかがいまいちピンとこなかったので適当に書いてパスしました。

次に大問2を選択しました。

マルコフモデル隠れマルコフモデルなどの用語を具体例を用いながら説明する問題や、パーティクルフィルタのアルゴリズムを示せといった用語説明的な問題が多かったです。最後の小問は、確率的推論とそのほかの課題(ゲーム木とか探索とか)との課題の違いを考えて、確率的推論はどんな問題で使うべきか議論してくれという内容の問題で、いい感じに具体例を挙げつつ解答し、大問を完答しました。

一応データベースも問題は見ましたが、結構難しそうだったのでパスしました。

手応え2完+2/3問。80%〜90%くらい得点できているのではという感じでした(この記事の末尾に注釈で得点開示のツイートへのリンクが貼ってあります)。

口頭試問(試験2日目)

まずTOEICのスコアと筆記試験の結果に応じて口頭試問対象者が掲示されます(この時点で60人くらい→45人ほどに絞られます)。

口頭試問対象者は指定の教室に移動した後、ホワイトボードに受験番号が書かれて、その順番に試験を行います。筆記試験と英語の合計点数の高い順との噂。まあそんな感じはします。

内容は「自分の研究の進捗について2分以内で説明せよ」でした。志望説明書に従って簡単に説明したぐらいでした。5分を想定して一応用意していたのであれって感じです。 その後質疑応答では「その研究はこの専攻的にはどういう意味があると思うか?」みたいな質問がきました。卒論の方向性があまりかたまっていなかったので結構厳しい回答になってしまいました。 正直口頭試問が一番緊張していました(っºΔºc)…

追記:

服装は覚えていないです...。私服で構わないと思います。心配ならスーツを着ていけばいいですが、合否に全く影響はないと思います。


その他

自分の特性

ギリギリにならないと頑張れないタイプというのが期末試験の受験状況からわかっていたので、早めに行動するようにしました。

あとは毎日コンスタントに頑張る習慣をつけること、天気が悪い日は頭痛がおきやすくやる気が出なくなるし、梅雨の時期はなおさら大変だろうなという見積もりとかもしていました。

自分の研究室の枠が少なかった

自分の研究室は研究室配属の時で2人しかとらない研究室でした。 ということは、単純に合格するだけではなく、かなり上位で合格しないと生き残れないと思いました。首席取るくらいの気持ちで頑張りました。

リベンジ勢が多かった

僕たちの学年は、2回生のコース配属で思うように配属されなかった人や、研究室配属で行きたい研究室に行けなかった人が続出し、院試でリベンジを仕掛ける人が結構多かったです。リベンジ勢はかなりの割合がリベンジ成功していたので、大学での成績が良く、希望通りのコースや研究室に行けたからといって慢心しないように気をつけてください。


追記

2019.09.18

得点開示しました。だいたい予想通りの点数といった感じですが、英語は思ったより高めに出てくれてたようです。TOEIC 835 点で 90%超えてます。やっぱり専門科目勝負ですね。

https://twitter.com/arthur_lugh/status/1174231581793370112?s=21

2020.03.24

質問があったのでテキストや参考書についての情報を加えておきました。 伝聞等で聞いた不確実な情報や、勢いで書き殴った部分についてはある程度書き直しておきました。


おわりに

つかれました。ゆっくり遊んだり趣味に時間を費やしたりして有意義に夏休みを過ごそうと思います(っ ॑꒳ ॑c)