けものみち

まったりと、きのむくままに。

新卒エンジニアのお引越し ~新居探し編~

引っ越しシーズンということで、新居を探すときにやったこととか、今後活かせそうなポイントとかを書き留めておくことにします。

前提

新社会人として、京都から東京に引っ越します。

不動産屋さんの営業の話に乗せられてしまいそうな気がしていたので、相談相手的なものがいると助かると感じてはいました。 しかし、一人で探したほうがフットワーク的には軽いですし、決断もしやすいかなと思って今回はすべて一人でやることにしました。

引っ越しの予定としては、3月上旬ごろを予定しています。 この辺の日程は変わるかもしれませんが、1月に物件が出始めること、3月の中旬以降は業者が繁忙期となり引っ越し費用が高くなるうえ、 1月中に物件を決めた場合、入居をそこまで先延ばししてくれるかはわからないこと、 2月は修士論文執筆・発表・学会などがあるので、ここに引っ越しを重ねると落ち着かなくなってしまうことから妥当な設定かなと思っています。

かかった時間とか

以下やったことを細かく書きますが、最初に各ステップどれくらい時間を費やしたかを書いておきます。

  • 物件の条件整理:2週間程度(1/1~1/14とかそれくらい)
  • 不動産屋お問い合わせ:問い合わせから来店予約まで2日(1/13~14あたり)
  • 不動産屋訪問+内見+申し込み:1日(スムーズにいって5時間強、不動産屋1件だけ訪問する場合)

物件の条件整理

最初にやったこととしては、住みたい地域の相場を大雑把に見積もることです。 東京の家賃が高い、というのはなんとなく察してはいますが、どの地域がどれくらいの相場であるかはわかっていませんでした。 また、どの条件がどれくらい家賃に影響するかもあまりわかっていませんでした。 なので、SUUMO とかホームズあたりでざっくりこれだけは外せないという条件を突っ込んで検索をかけて、相場を見積もると、 見通しが良くなると思います。

だいたいこれくらいの価格でこんな感じの部屋に住めそうというイメージがつかめたら、物件に求める条件を整理しながら検索することを繰り返していきます。 自分の場合は、以下のように、物件に求める条件をその優先度順に3段階に分けていました。

必須条件(妥協できない最低ライン)

  • 家賃 11万円以下(管理費・共益費込み)
    • 家賃が高いとその分生活に余裕がなくなるので上限はこの程度
    • 大学~大学院までJASSOの奨学金を借りていたため、返済のことも考えなくてはいけない
  • オフィス最寄駅から 20分以内
    • オフィスの家賃手当の条件の関係
    • オフィス最寄駅から一駅くらいならOK
  • バス・トイレ別
  • 温水洗浄便座
    • この2つがない状態で約6年生活しており、やっぱりほしいなと思ったため
  • エアコン
    • 指定しなくてもだいたいついていると思いますが...
  • ブロードバンド・光回線
    • エンジニア職のため、ネット環境は重要
    • 数十msのラグまでこだわるオンライン対戦ゲームとかはやらないので、安定して一定の速度が出る通信環境を構築できればOK
  • 室内洗濯機置き場
  • 専有面積 20m2 以上
  • 鉄筋(RC)・鉄骨(SRC)
    • 頑丈さと防音性、空調の関係
  • 築年数 25年以下

選択肢に余裕がなくなったら妥協を考える条件

  • 家賃 10万円以下(管理費・共益費込み)
  • リビングが7畳以上
  • ワンルームでない(1Kタイプ)
  • 築年数 20年以下
  • オフィスまで徒歩15分以内

ついてきたらうれしい条件

  • オートロック・防犯カメラなどのセキュリティ面
  • 2階以上
    • 虫がわきにくい
    • 景色がいいとなおよい
  • 近隣がうるさくない
  • リビングが8畳以上
  • 南向き(南西~南東)
  • 礼金なし
    • オフィスの引っ越し補助制度の関係
    • 引っ越し代+礼金合わせて最大10万円まで補助してくれるので、礼金がゼロだとその補助をすべて引っ越しに割り当てられる
    • 礼金なしの代わりにほかの初期費用が高いこともあるので一概にこれが良いとは言えない
  • フリーレント制度
    • 家賃の1か月分がタダになるというような感じで初期費用が抑えられる
    • ただし、この制度がついているところはかなり少ないので期待はしない

オフィスの家賃補助制度がそれなりに大きく、2万円/月程度でるので、多少家賃相場が高くても家賃補助制度に該当する条件を満たすほうが、 長距離通勤になる代わりに家賃が安いところに住むよりも良いという結論でこの条件を組んでいます。

職業柄、オフィスから仕事用のPCやモバイルWi-Fi的なものは貸出されるのですが、それとは別に個人でもネットに触る時間は多いですし、 ポケットWi-Fiみたいなものだと速度や通信の安定度はあまり期待できないので、インターネット周りはかなり優先度が高いです。

物件の探し方の工夫

いくつか検索で工夫したところを紹介します。

「賃料の安い順」や「広い順」の並び替えや、地図表示を使って最寄り駅から何分圏内、というように数字でしっかり見えるデータでソートをしたほうが 条件の比較や検索効率の向上につながると思います。 今回は、オフィスからの直線距離が一定以内であれば家賃補助が付く、という条件がかなり大きかったので、 ホームズの「地図表示」を使って距離の条件を満たすように検索をかけていました。 検索結果の並び替えで、リスト表示にして「おすすめ順」で並べ替えると、確かに希望条件を満たすものから順に表示されている気がしますが、 情報検索的な話で、検索エンジンのスコアリング方法はユーザーからはブラックボックスであり、 何が「おすすめ」かはわかりにくいのが難点です。

東京23区に住む場合、区単位で物件の所在地域を指定するのはやめたほうがいいかもしれません。 例えば、早稲田大学は新宿区にありますが、北に少し進むだけで文京区、豊島区に入ってしまいます。 別の例として、目黒駅は目黒区ではなく品川区にあるうえ、目黒区、渋谷区、港区、品川区の4つが近くにあります。 区単位で検索をかけるとこのような場合に区の指定が不十分で物件を見落とす可能性があります。 こういったときにも区を指定せず「地図表示」するのが有効です。

物件から目的地までの距離を測る際は「キョリ測」というサイトを使うと便利です。

www.mapion.co.jp

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このサイトでは、出発地点から目的地点まで点をつないでいくと、その点を中継するルートの総距離を出してくれます。 ついでに、徒歩、自転車、車で何分かかるかの情報や、土地の高低差もマップで出してくれます。 特に土地の高低差は、自転車で通勤する際は注意してみた方がいいと思います。

物件の条件についてですが、最初は条件を欲張って詰め込んでみて、条件がきつく、該当する物件が少なすぎる場合は 条件を一つずつ一段階妥協して再検索するという流れをひたすらやっていました。

不動産屋に行く前までにやったこと

なんとなく5~10件ほど良さそうな物件がそろったらお問い合わせをしてみましょう。 お問い合わせをすると、物件がまだ残っているか、内見可能かなどがわかりますし、 メールでのやり取りでこの不動産屋は良さそうだ、サポートが充実してそうだとか、逆に心許ないかもしれないという雰囲気もうっすらわかってきます。

1月は物件の埋まりが早いので、希望物件の件数が少なすぎると、内見の前に物件がとられて選択肢がなくなってしまうケースもあり得ます。 自分の場合は、1月中旬に物件5~6件まとめてお問合せしましたが、すでに2件は募集終了、内見の前日にさらに2件募集終了という感じで、 埋まるスピードが尋常じゃなく早く焦りました。 特に、内見の前日(日曜日)に2件募集終了したとの旨をメールでいただいたときは、 ちょうどその2件が第1候補、第2候補だったこともあり膝から崩れ落ちました。

こんなこともあるので、前日まで条件を固定したまま新しい物件がないかどうかアンテナを張っておくことが重要です。 自分は、内見前日にネカフェに宿泊していたので、前日夜に3~5件くらい追加でよさそうな物件を列挙しておきました。

不動産屋さんに前もって物件の希望条件は伝えてありますが、手元にメモとして条件を書き残しておくと良いでしょう。 自分の場合は、Slack の個人ワークスペースに先ほどの優先度付き条件をメモとして書き残して、担当の方に見せました。 条件が明確になっていると、不動産屋に訪問し、追加で何かいい物件がないかを探す際にある程度スムーズに進めることができます。

物件の検索と絞り込み、内見する時間と移動時間、不動産屋の営業時間、自分の体力など総合すると、 1日に多くて2件までしか不動産屋を訪問できないと思ったほうが良いです。 自分の場合は、もともと10:00開店に予約して15:00くらいまでで1件目の不動産屋の訪問を終えて、2件目は15:30から訪問と考えていました。 1件目を訪問した際、2件目で扱っている物件のことも話してくれて、案内もできるとのことだったので、 2件目に行く意味がなくなり、当日キャンセルのメールをいれることになりました(申し訳ない)。

不動産屋へ訪問

不動産屋の担当の方はプロですから、プロからいろんな情報を聞き出すのは候補を絞るために重要です。 前もってこちらの希望条件を整理しておくと、こういったネットの文面からはわからない情報や、不動産屋ならではの裏情報なども見えてきます。

以下は実際に不動産屋に行って初めて聞けた話です。

土日をまたぐと物件が募集終了になりやすい

平日より休日に物件見る人が多いってことだと思います。 ちなみに自分も金曜日に内見可能って言われていたのに日曜日に募集終了のメールを受け取ったので、そういうことだと思います。

1月中旬以降は共通テスト(元センター試験)の関係で受験生とも競合する

この時期になると、受験生のお部屋探しも本格化して、取り置きしたいという方も多いそうです。 自分の住みたいところは、1月の第2週ごろにかなり埋まったと聞きました。 ただ、だからといって早く訪問しすぎると今度は契約の時に入居可能日が前倒しになってその分初期費用で損する可能性も高くなるので、 1月中旬~下旬あたりが妥当なラインかなと思います。2月だと「余りものの物件」感が強くなるらしいです。

実は同じシリーズの物件

実はこの物件とあの物件は同じ会社がデザインしているという話も聞けたりします。 今回はあまり参考になりませんでしたが、別の物件でもっといい条件のものとか紹介してもらえるかもしれません。

条件が都合よく良いときは何かが犠牲になっている

たくさん物件を見ていると一見条件がよさそうな物件というのが結構出てくるものです。 例えば、管理費・共益費込みの賃料が同じなのに5m2くらい広いとか、敷金礼金が両方ないとか、 同じ広さなのに賃料が1万くらい安いとか、いろんなパターンがあります。 ネットの記事でも、こういうパターンは落とし穴がないか注意したほうがいいとありますが、予想以上に落とし穴だらけでした。

今回自分が不動産屋を訪問してこの物件はあきらめよう、となったものは3ケースありました。

1つ目は「近くにスーパー、コンビニ、薬局などが全くなく不便」というものでした。 この辺の情報は丁寧に見れば本当は見落とさなかったかもしれません。 東京だから何か近くにあるでしょうと思っているとこういうこともあります。 人によっては自転車や二輪などで移動すれば問題なしになるかもしれません。

2つ目は「近くに墓地がある」うえ「駅までのアクセスが地味に悪い」というものでした。 墓地があるのが嫌、というのは個人差はあるかと思いますが、自分はあまり好ましくはないかなという感じです。 それよりも、駅まで徒歩11分と見かけではそこまで悪くなさそうに見せておきながら、実際は横断歩道が近くになく、 歩道橋を渡る必要があるとか、上り坂がきつくて自転車で移動するには不便、という点が気になりました。 この物件は、家賃も安くて部屋もきれいで広いのに、これらが理由で内見してもあきらめる人が続出しているとのことでした。 ついでに、結構前から募集しているのにほとんど埋まっていない、というのも人気のなさを象徴しているようだったので、 物件の情報がいつ登録されたのか、というのも人気がないかもしれないというメタ読みができる一材料になりえます。

3つ目は「管理会社に一癖ある」というものです。 実は、もともと2件目に訪問する予定だった不動産屋に、この物件を内見したいと連絡していたのですが、メールで 「3月入居は難しく、2月下旬までが限界かと思われます」と即答で返ってきていました。 この文面だけだと、物件探し自体が早すぎたのかなと思っていたのですが、 今回訪問した不動産屋の担当の方が、管理会社が非常に融通が利かず、 いい物件だけど手放す人が続出するレベルでヤバいと酷評だったので納得がいきました。

内見

ここまで来たらだいたい見たいところは数件に絞れているはずなので、あとは文字通り「見るだけ」です。

基本的に不備はないかと思いますが、部屋の設備がどうか、広さはどうか、コンセント、 エアコンの位置などはちゃんとしているかとかしっかり確認しましょう。 不動産屋の訪問は多くて2件と言いましたが、採光を重視する方は、朝一で訪問してお昼ごろに内見できるようにすると、 ちょうどどれくらい日光で部屋が明るくなるかもわかります。 自分の場合は、これで南東向きの部屋と北西向きの部屋で全く明るさが違うことを認識できたので昼に内見できたのがよかったと感じています。

今回はやっていませんが、レーザーで距離を測定する機器を買っている友人もいたので、準備しておくと家具の配置とかもイメージできていいかもしれませんね。不動産屋の担当の方が紙で間取り図とか印刷してくれたので、ペンを持っていけば、部屋の広さや間取り図だけでわからなかったこと(コンセントの位置とか書いていない場合も多い)をメモすることもできるのでより良い内見になるかと思います。

申し込み

内見して意思がかたまったらその日のうちに取り置きするのがよいかと思います。 一日おくのもいいかと思いますが、ほかの人に取られてしまうと選択肢が狭まりますし、最悪の場合物件探しからやり直しになる恐れもあります。 「その日に内見できる」ということは「まだ他の人がとっていない」ということをほぼ確実に保証するので、内見したらすぐとるくらいのペースで予定を組むほうが確実です。

申し込みの際に以下のものを準備しておくとスムーズに進みます。

  • 身分証明できるもの(学生証・運転免許証・パスポートあたり)
  • 健康保険証
  • 印鑑(シャチハタ不可)
    • 自分は今回印鑑いらず、サインでよいといわれましたが「印」の箇所がいくつかあったのであったほうが絶対良い
  • 労働条件通知書
    • コピーをとるので印刷して持っていくか、もしくはUSBメモリなどにPDFファイルを入れておく
  • 保証人ありの場合、親の勤務先の情報(会社名・電話番号・住所)
  • (クレジットカード)
  • (自分が入社する会社の平均月収、社員数などの情報)

仮契約段階だと、不足があってもなんとかなるものもありますが、できる限り埋めないと申請できない場合がでてくるかもしれません。

クレジットカードは、内見当日には使用しませんでしたが、のちに担当者から電話が来て、クレジットカードの所有を確認され、 クレジットカードを持っていると保証料か何か忘れましたが、学生割引(この場合新社会人プラン?)で家賃の30%程度の負担(2万円程度?)から9000円まで割引になりました。 最近は初期費用の支払いに現金だけでなくクレジットカード対応しているところもあるので持っておくと便利かと思います。

結局どんな物件が確保できたか

これから入居審査などがあるのでまだ確定ではないのですが、以下の物件を確保することができました (数値を細かく書いてしまうと特定されるかもしれないのである程度ぼやかしています)。

  • 家賃 10万円未満(管理費・共益費込み)
    • 必須が11万以下、妥協ラインが10万~11万以下なのでOK
  • オフィス最寄駅から徒歩10分ちょい
    • 家賃の安さの割に思ったより近くなった
  • バス・トイレ別 / 温水洗浄便座
  • エアコン
  • 光回線
  • 室内洗濯機置き場
    • この辺は必須なので満たしている
  • 専有面積 20m2以上でリビング8畳以上かつ1K
  • 鉄筋(RC) / 築年数20年以下
  • オートロック・防犯カメラなどのセキュリティ面の充実
  • 2階以上 / 景色が良い / 南向き(南西~南東)
  • すぐ近くに大きな道路がなく、細い路地を通ったところにあるので結構静か

条件の中でついてこなかったのは、あればうれしい程度の「礼金なし」「フリーレント」ぐらいで、 それ以外ほぼそろってしまいました。 それどころか、セキュリティ面も希望以上だし、自分の希望には列挙していないけどあったら便利な設備等もついてきて、 ほぼひとめぼれに近い感じでした。 担当の方も、かなり条件面はよいとおっしゃっていましたし、個人的には大成功かなと思っています。

内見前日に第一希望であった物件とほぼ同じ家賃で、それより上位互換の広さ・設備の物件をとれたので、 運が非常に良かったのかもしれません。

おわりに

一個人の新居探しを書きましたが、実際にやってみないとわからないことだらけで、結構大変でした。 この記事を読んで、見落としてそうなところ、応用できそうな箇所とかあればぜひ活用していただければと思います。

このあと入居審査、ライフラインの整備、正式な契約締結を経てようやく入居となります。 引っ越しの手配は、入居日などが決定しないと難しいのでもう少し後になります。 このあとの作業もとても多く、かつ学業のほうもそれなりに忙しさがあるので骨が折れそうですが、頑張っていきたいと思います。

タイピングに復帰して約2年経ったけどどう変わりました?

この記事は「タイパー Advent Calendar 2021」の18日目の記事になります。

adventar.org


こんにちは。今回でタイパーアドカレ2021は3記事目になります。

今回の記事はタイピングに復帰してから現在に至るまでの自分の変化について書いていきます。

復帰のきっかけ

何度かお話ししていますが、大学4年生の時に大学院入学試験の勉強に飽きて、暇つぶしに復帰したら楽しくなってそのまま復帰したという感じです。

(このブログに院試の合格体験記がありますが、自分のラボは学部4年の進級時に2枠を10人で争い、さらに院試で首席付近の成績を取らないと生き残れないという地獄の年でした。なので、相当前からちまちまと対策しており、飽きてしまっていましたw)

復帰の前まで

記憶があいまいですが、実力としては

  • 毎パソ:英文A優勝、和文は最高全2
  • e-typing:腕試しローマ字日本語で 550程度が最高?

程度でした。

自分の意志でやっていた、というより大会があるからとりあえず出ておくか、ぐらいの感覚でダラダラ続いて、毎パソの全国大会参加権利が高校生までであることと受験が重なったのを機に引退していたという感じです。毎パソ勢だとよくある光景かもしれませんね。

タイプウェル、歌謡勢あたりだと「〇〇さんに憧れて始めた(続けている)」という人も結構いらっしゃる印象ですが、わたしの場合、毎パソで全国一位になるために自分以外滅んでくれ以外の感情がありませんでした(失礼すぎる)。

そして、これがまさしく「井の中の蛙」とも言える話ですが、当時はこれで自分がランカーに値するものだと思い込んでいました。

タイパーの方ならお察しの通り、エタイ腕試しローマ字550は、平均と比較して速いほうだけどそれなりに層の厚みはあるレベル帯なので、今思うとかなり見ている世界が狭かったなと感じます。当時はSNSをやっていなかったことや、タイプウェル、歌謡などの存在も知らず、タイパーとの交流も一切なく孤立していたので仕方なかったともいえそうですが。

RTC を知る

復帰してまもなく、REALFORCE Typing Championship があることを知ります。

予習のために過去の大会の動画を見たり、予選でエタイが使われるので該当する回のランキングを見たりしましたが、ここで果てしない絶望感を味わいます。

ここにきてようやく、自分はまだ広い世界を知らなかったんだなと、わかってしまうのでした。

ダメもとでとりあえず予選に挑むものの、全く歯が立たず終了。

ここで心が折れるのが普通の人ですが、負けず嫌いなのがここで現れたのか「大会(大海)を知れたんだから、頑張ってみるか」となぜか前向きになってしまうのでした。

ここから2年間で変えたこと

ここからは、この絶望からの2年間、具体的に何が変わったかを書いていきます。

キーボード

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いままでHHKB Professional(2006年製!) を使っていたのですが、RTC の予選の時期に家電量販店に行き REALFORCE の試打をしたところ、あまりにも心地よすぎたので REALFORCE SA for Mac を買いました。

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現在も特に変わらず REALFORCE メインで打っています。

キーボードは HHKB、REALFORCE のほかに実は TypingTube さんの企画で好きなキーボードをプレゼントするキャンペーンに当選していたので、もう一つ持っています。

こちらはUS配列、Bluetooth 対応、七色に光る、赤軸のキーボードです。 これもかなり打ち心地が良く、US配列なので英語の練習用に利用しています。 七色に光るうえ、光り方のパターンもその日の気分に合わせて変えられるため、とても重宝しています。

やはり自分の好みのキーボードを見つけて指を馴染ませるのは大事かなと感じます。

練習スタイル

今まで毎パソや e-typing でしか練習したことがなかったため、ほかのサイトでも練習するようにしました。

復帰初期のころはタイピング速度測定さんあたりをよく使っていたと思います。

ある程度タイピングの感覚が戻ってきてからは Weather Typing をメインにランダム・短文の練習を強化していきました。

自分のスタイルが「スピードも持ちつつ正確さも絶対に落とさない」「実用性の重視」であることから練習時には

  • 最低でも精度95%以上、基本は98%以上の精度、できれば99%以上
  • 力まない
  • 大会時以外はワードに過剰に適合しない

あたりを心がけています。

精度については、RTC の失格規定を基準にさらに厳しめに設定しているのですが、元毎パソ勢であり、ミスがあると著しい減点が入ることや、和文だと特に BackSpace での後退のタイムロスが大きいという感覚に慣れているのであまり普段は苦労することはないです。精度があると記録の再現性も高まりやすいですし、実用面でもブログ記事や技術記事書いたりするときに、読み返して誤植がたくさんあると萎えるのでかなり重視してます。

音ゲーの某大会のファイナリストが「精度の乱れは心の乱れ」なんて言ってたりしますね。もしかしたら通ずるところがあるかもしれませんw)

力まない、についてはスタミナを維持するため、乱打をしないため、単に「無駄のない動きのほうがかっこいい」と感じているために設定をしています。

ワードに過剰適合しない、についてはこれはスコアを出すためにやっている方からすると奇妙に思えるかもしれません。同じ文章ばっかり打っていると「その文章、ワードセットには強いけどほかのワードや練習サイトだとまったくもってダメ」という現象が発生しうるし、変な打鍵の癖がつきやすいのでワードを意識して覚えるということはしないです。あとは勉強面だと語彙力を増やしたいという意味もあります。

タイパーとの交流

練習記録を Twitter でシェアするようになってから、タイパー界隈の方と相互フォローの関係になることが増えました。

たのんさん主催の Warriors of Typing に参加したり、京都の寺町 a-cho さんにある TOD で対戦オフ会をしたり、Discord 上でゲームをしたり...と交流の機会は圧倒的に増えたと思います。

交流の機会が増えたこと自体はいいことなのですが、それに伴って自分自身の発言がほかの人に見られる回数が増えてきたため、練習記録関連の発言にはかなり気を遣うようになりました。

具体的に、練習結果のツイートに「下手くそ」「全然ダメ」などのマイナスな言葉を使うのを意識的に避けるようになりました。それなりに実力があるのに「下手」などとつぶやくことにより、第三者の方が「ああ、あの人が下手って言ってるならわたしはもっと雑魚だ...」などと知らないうちに傷ついてしまう可能性があることや、そもそもマイナスな発言自体あまり気持ちの良いものではないからです。

練習結果をつぶやくときはうまくいったポイントと改善点を具体的に記述するように心がけています。例えば「前半はノーミスでしかもスピードも保てていて上手だった。後半は疲れが来てしまってもったいないミスを連発してしまったので前半もう少しスタミナを温存すべきだったかもしれない」というようにツイートをします。こうすることで、自分自身の反省にもなりますし、第三者にとっても「あの人はこういうことを意識しながら練習しているのか!」と発言から推測しやすくなるので、双方にとってメリットになると考えています。

また、同様に自分自身のタイピングの実力についても過小評価するような発言や記述は控えるようになりました。「中堅」「最上位層」の定義は主観的であることや、それなりに実力があるのに自分のことを過小評価して「中堅」「最上位層ではない」「自分はまだまだ雑魚」などと表現するのはあまり快いものではないと感じているので、こういった表現を避けています。

この辺は、自分が高校生~大学生時代にほかの学生が口癖のように「あのテスト〇点しかとれなかった」「全然だめだった(平均点60点のテストで100点中95点)」みたいな発言を見ていてかなり気持ち悪いなと思っていたところからもきています。自分自身を過小評価するような発言をして自分の何を守りたいのかさっぱりわからないですからね。

積極的な情報発信

2019年のタイパーアドベントカレンダーからかなりタイピング関連の情報発信をすることが増えました。

2019年~2020年のあたりは主に上達論という名の体験記が多かったですが、そういう記事は書こうと思えばどんなタイパーでも書けるだろうな、と思ってしまっているので、ここ最近は自分自身が情報学を専攻していることから「新規性があって、面白そうなこと」「技術的に面白そうな話」「自分目線じゃないと語れない話」を中心に発信しています。

例えば2021年だとこれとか代表的ですね。

drakscake.hatenadiary.com

本当にアイデアを思いついてからモデル化、データ収集、実装、シミュレーション、ブログ化まで半日でやったので、スピーディーさでいうとかなり高いと思います。

(とある記事で、スコアの分布のヒストグラムを見た目だけで判断して「対数正規分布っぽい」と言っていて「ほんまか??せめてちゃんとモデル作ってパラメータ推定してフィットしろ」って思っていたのはここだけの話)

話題としては割とニッチめな話なのに思いのほか反響があってびっくりしていました。理論面は丁寧に解説しつつ、直感的な意味もちゃんと説明したので数式が苦手でも読みやすいようにしてありますし、最悪数式読まなくても最後の結果だけ読めば楽しめるようにもしており、スピーディーさの中にある程度工夫も盛り込んだ記事でありました。

(普通に創作キャラのイラスト描くより見られていたかもしれません)

ほかに象徴的なものだとこれですかね。

qiita.com

上の記事は 2019年のタイパーアドベントカレンダーの記事ですが、そこから1年半の放置を経て発展させていき FoxTyping のベータ版をリリースすることができました。まだ粗いところや実現したいけどできていないものも多くありますが、その辺は追って整備していて自分なりのユートピアを作っていければいいのかなと思っています。

qiita.com

その FoxTyping の開発過程で、ローマ字日本語タイピングの例文生成、判定の部分が非常に実装が大変でめんどくさかったのと、開発者がいちいちこれを書いていては車輪の再発明どころか車輪の劣化版の生産が何度も行われることになるだろう、と思ってこちらの記事を新たに2021年12月に書きました。ローマ字日本語タイピングの実装の肝となる部分を具体例を挙げながら丁寧に解説し、開発を手助けするライブラリも配布してしまうというものです。将来的にローマ字日本語タイピングゲーム、ソフトなどを開発する人がこれを利用して開発効率アップしてくだされば個人的にめちゃくちゃうれしいです。

現在のモチベ

もちろん打つこと自体も楽しんでいますが、自身の専門性を活かしていくことに対してかなりモチベがあります。

2022年はタッチタイピング関連の面白そうな論文を読んでみて紹介するとか、そういうプチ企画があってもいいかもしれません。

FoxTyping の開発のおかげで、配列、言語間でのスコアの出しやすさの違い、文章の認識の仕方、ゲームデザインといった幅広い観点からタイピングというものを眺めることもできるようになった気がします。タイピング練習サイト、ゲームに対してバグ報告や改善案、自分の理想をただ投げつけるだけなら誰でもできてしまいますが、実際に一個人で開発するとなった場合、現実的にどこまで需要を満たすように実装できるのか、どれくらいのコストがかかってどれくらいリターンがあるのか、といったような感覚を持てるのは開発者ならではかもしれませんね。

あとは、ここに書いてしまうとアイデアを取られるので書きませんが、手元のメモに秘めているやってみたい実験とかものちのちやってみて紹介できたらいいかなと考えています。

復帰してから約2年間でものすごくタイピングに対する姿勢は変わりました。

最初こそひたすらタイピングの実力を伸ばしたい!という気持ちでひたすら打っていましたが、ここ最近は「正確で高速な打鍵を求めつつ、開発や記事の執筆、勉強もするマルチタイパーとしてキャラが確立しつつあるのかもしれません。できることが増えると大変ですけど楽しいですからね。


前日の記事:Alpha0099 さんによる「Alpha0099よ、1年間何してたんだ」

note.com