けものみち

まったりと、きのむくままに。

2022 タイパー Advent Calendar 感想

adventar.org

毎年楽しみにしているタイパー Advent Calendar について感想を「短く」簡潔にまとめて羅列していこうと思います(長く書くととんでもない分量になりそうなので短くです!)

きっかけとしては、書いた記事に対してなにかしら反応があると書いた方も嬉しいと思いますし、アドベントカレンダーというイベントがもっと実りあるものになると思ったからです。

※ 2022/12/30 時点でリンクがカレンダーに貼られていない記事についてはスキップします。申し訳ありません。

1日目

note.com

たのんさんの記事です。

e-typing の詳細な仕様を把握していらっしゃること、提示した改善点に対して、なぜ良いのかを明快に記述していること、定量的な分析に対応した例が提示されており直感的に理解しやすい、など至る所に日頃の努力や研究の成果が伺える記事だったと感じております。特に「初速が 50ms 上がるとスコアが 2~3% 向上するが、それをkpm換算するとおおよそ 30~40kpm 底上げする」と書かれていたところが個人的に一番目新しかったです。初速を上げるとスコアが上がる、というのは誰でも正しいと理解していることですが、どれくらい上がるのか?を直感的にわかりやすく説明されている記述はほとんどなかったと記憶しております。

あと、おまけがおまけの分量じゃなくてびっくりしました。 先頭文字の偏りと、総文字数の分布が書いてある点は、自分は今まで見かけたことがなくてとても興味深い分析だと思います!

Tier 表については、こういうのを提示するとすぐ「いやいや、私はこっちのほうが簡単」「こっちのほうがむずいだろ」と大量にご意見が出てくると思うので、なかなか出すのも勇気がいるかと思われるのですが、コンパクトにまとめられており、良い資料だと思いました。みんな各々 Tier 表つくれば、私はこれが得意でこれが苦手、という自己紹介的な役割も果たせるんじゃないかなーと考えています。

2日目

drakscake.hatenadiary.com

自分の記事です。

表向きには毎パソの攻略記事ですが、「時間や打鍵数いくら練習したところで、アプローチが悪いと勝率は上がらないから、ちゃんと頭使って練習すべき」という裏のメッセージが込められています。タイピングに限らず、限られた時間と体力で多くの成功をあげるために自分がずっと大事にしていることでもあります。

記事内でも言及していますが、エタイやタイプウェルはハイスコアを出せることに大きな意味を持つし、練習量を増やすと必然的に試行回数も増え、結果的にハイスコアを出せる確率が上がることを意味するので、「練習量で誰にも負けない」というのはある意味正しいと思います。練習量を意識するのはいいことですが、大量に時間を割いて成長しないのなら、今のやり方や設定している目標が本当に正しいか自分に問うてみるべきだと思います。練習量をこなして伸びるのは正直当たり前のことだと思っているので、練習量ありきで時間や体力を浪費するだけの練習をしている方を見ると、もっと自分の癖を丁寧に分析して足りないものや伸ばしたいことに対してきちんとアプローチした方が良いとアドバイスしたいです。

3日目

nigetter.hatenadiary.org

nigetter さんの記事です。

作者が公式に「クソゲー」とおっしゃっているイカれたタイピングゲームがあり、それを真剣に取り組んでみたという記事です。この感想記事を公開するちょうど1年前になります!(もう1年...??)

ランダム文字列の難しいところは、初心者だとまずキーの配置を覚えていくところでしょうか。それを乗り越えたところで、日本語、英語などの自然言語とは異なり、文法やチャンクでの認識といった言語特有の知識が通用しづらく、長期的に取り組んでいかないとなかなか厳しいものがある領域なので、それを一人で戦い続けたというのはすごいことだと感じています。

日付とともに淡々と更新されていく記録がいいですね...!

4日目

note.com

たのんさんの記事です。ウィッシュミーメルというサンリオのキャラクターについて執筆されています。

サンリオのキャラクターでここまで異色なキャラクターだったとは...!というのが全体の感想ですね。 自分も小さい頃、毎朝木曜日(?)にサンリオピューロランドのシアターの様子をテレビで放映しているキティズパラダイスシリーズの番組を見ていたので、読む前はメルについても「かわいいキャラクターとゆるくふるあえる感じ」を想像していました。

仕事柄、プロデュースの仕方やどういうお客さんに向けての施策なのか、ということを想像しながら読んでいたのですが、触れ合えるという点やなかなか攻めた企画を見る限り、完全にオタクを落としに来ているのが伝わりました。プランナー側も前例のない尖った企画にチャレンジしているのでしょう(尖った企画は叩かれやすくリスキーですが、チャレンジして失敗を経験すること自体には価値があると思います!)。

5日目

typerinterview.hatenablog.com

かり〜さんの記事です。えふさんへのインタビューをまとめたものです。

えふさんの名前の由来がキーボードがちゃがちゃで決まった文字列の最初だったとは初めて知りました。

えふさんのタイピング開始が小学1年生で、2年生くらいのころにはタッチタイピングを習得とのことで、相当早い時期に始められていたことがわかります。この辺のゴールデンエイジにタイピングの基礎を身につけて少しでもやりこんでいると、小中学生の頃には敵ほぼなし、大人になって復帰してもかなり伸びるイメージがあります。

一つの目標に対して練習の仕方をきちんと定めて、練習しながら自己分析を行い、練習内容を吟味して修正というようなサイクルを作っていることに感心しました。短絡的ではなく長期的にスケジュールを決めているところも素晴らしいです。

正確性を意識する練習に対して、アプローチを試して「自分にしっくりくる」とお話しされていたと思いますが、この「自分にとって」という感覚が大事だと自分も思います。

6日目

typing-a-gogo.com

おはようさんの記事です。ラジオの話から感じ取ったことをまとめてあります。

タイトルに一切タイピング関連のことが書いていないので、ラジオ番組を初めて聞いた感想記事や布教記事なのかな?と思っていると、終盤、凝り固まった価値観への問いかけをしていてハッとさせられました。

パソコンやスマホが当たり前に普及している現代では、タイピングをテーマにした活動を布教するチャンスは至る所にあると思います。しかし、布教を成功させるためには、自分たちの色眼鏡を一度取り払って、相手の価値観を理解して、それから自分を理解してもらうことや、自分自身の視野の狭さに気づくことが大事なんじゃないかなと自分も思います。

自分は「競技タイピングで記録を残すこと」「大会で成果を残すこと」にモチベーションが見出せなくなり、エンジニアリング方面からタイピングを支える方針*1にシフトしています。そのためか、次第に次世代のエースタイパーに古参の大人たちが目を向けていくことに対して、得体の知れない焦燥感を抱いていました。その中で『色んな人が色んな盛り上げ方でいい』という言葉に勇気づけられました。大会で最高峰を目指すことは一つのアプローチであってタイピングの全てではないんだな、と。

有名な寿司打の手元配信、対戦系のタイピングサイトで戦って強くなる、RTC のような国内最高峰の戦いを目指す、毎パソで同世代の人と戦う、物理配列の研究をする、タイピング関連の企画をして運営する...いろんなアプローチがあってお互いを肯定できるようになり、共存させていくことでタイピング界隈の存在を広められていくといいのかな、と感じました。

7日目

note.com

星凪/seina さんの記事です。

タイピングを始めたきっかけが幼稚園の時、で声出ました。早すぎませんか??いや、早ければ早いほどいいんですが、幼稚園の時からPCに触れる環境があることが本当に現代らしくて、羨ましい限りです。

タイピング能力が向上したことについて、寿司打で上位を目指す、という人はたくさんいますが、「どんな人が上位にいるのか」という姿が想像できず、そこから Weather Typing にのめり込んで急成長をした点が面白いですね。上位に入ると井の中の蛙にどうしてもなりがちで「俺よりタイピング早いやつおる?」になりがちなのですが、そこでとどまらず、Weather Typing に飛び込んだのはすごくよいことだったのではないかなと思いました。休日は朝から晩まで、というのも若さの表れだと思います。

コミュニケーション能力については、大半の人は歳上だし、どんな人が想像つかない状態でボイスチャットに飛び込むのは勇気が必要だったと想像していますが、そこでの経験を普段の生活にも活かせているのは私たちにとっても嬉しいことです。

8日目

polygon7465.wixsite.com

めたるさんの記事です。

自分も電子機器ではないのですが、レトロものからその時代の人が何を求めて生きていたのか、どういった知恵を絞って製品を作ったのかといったことを感じ取るのがとても好きです。

めたるさんと1対1で話す機会も何度かあり、その時に国内企業のメーカーに興味があるという話をされていました。ここまで特定の企業の製品そのもの、身の回りの製品の事例、自分が好きになった経緯や客観的な考察、競合他社との比較が書かれているのはその熱量の表れでしょう。

所有品や今後所有したい製品について、自分は平成の前半生まれなので、昭和時代の製品についてはどこかのテレビ番組で見たことあるぐらいでほぼ無知です。ストロボ、カメラや放送用ビデオカメラについてはなんとなく見たことある...!と思いましたが、ポータブルテレビやラジカメは初めて聞きました(こういうこと書くと「え〜知らないの!?これだから若者は」とか言われてしまいそう)。

9日目

pogi-blog.hatenablog.com

pogi さんの記事です。

小さい頃の未解決な話が3つほど書かれています。前半二つは正直全くわからん!って感じでしたので頑張って pogi さんの方で解決してほしいですね...! いろは歌については考察しても何もわからんというか、最後に意味すら教えてもらえなかったところが謎を深めるばかりですね...。

隠し部屋の話は実は自分も京都に住んでいた時に賃貸アパートに隠しスペース的なところを見つけてしまったので「あるある!」とちょっと共感しましたね。隠しスペースを見つけたからといってRPGのゲームみたいに何か宝物があるとかそんなことはないし、pogi さんも書かれていた通り割と「殺風景」ではあります(自分の場合、木造なので、木の柱が見えて、暗くやや埃っぽい空間が広がっていました)。ちなみに自分は、その隠しスペースを利用して、N○Kの集金人が来た時のためにテレビを隠していたことがありました。

10日目

note.com

TEA_R さんの記事です。

何気なくいろんなことに手出しするのって楽しいですよね。金銭面は気になると思いますが、お金を使わないで貯めておくよりまず投資してみていろいろ経験してみる、という感覚は大事だと思います。欲しい時に欲しいものを買って、やりたいと思った時にやる気を全力で注ぐ感覚をこれから先も忘れずに持ち続けていてほしいなと思います。ちなみに私もリアフォは「なんかほしいな〜」くらいで衝動買いに近い形で購入しましたし、 maimai ではソルト推しです(ちっちゃいのとボイスがまったりしていてとても良い)。

イラストのところにある「自分のニーズに合ったイラストって、自分で描くのが手っ取り早くね?」という感覚はぜひ大事にしてほしいですね。生産者側になって初めて作り手の苦労と面白さが同時に見えてくるからです。

11日目

note.com

TEA_R さんの記事です。1年間のタイピング練習を振り返る記事です。

コツコツ続けることって大事ですね。大会にちょっと出るのでもいいですし、気楽に練習サイトで練習するのでもいいです。 前半の方にあったデータが吹っ飛んで記録がリセットされてしまった件については、これは昔のソフトが自分のPC側にデータを全部保存するタイプであることから仕方ない側面が大きいので、クラウドにデータを保存する仕組みを開発したいなあと考えることもありますが、金銭面的になかなか難しいところではありますね。

学生特有の事情として受験や部活があると思うのですが、10日目の記事でも部活が好きと書いてあったので、学生生活中でしか体験できない時間を大切にしているということはいいと思いますね。

12日目

未公開?

13日目

typing-a-gogo.com

おはようさんの記事です。

まさかの生ボイスそのままのせです!新しい! いちご、ドーナツあたりまで「かわいい」と思っていたら急に「レモン味のポテトチップス」と自分が食べたことないのが出てきて驚きました。自分の周りではレモン味のポテチを全然見かけないので機会があればぜひ食べてみようと思います。

ミニオンズのボブが好きとのことで機会があればぜひUSJに...!

最後に「ストレッチマン」が置いてあったんですが、自分が5歳くらいのときもテレビでストレッチマンやっていたの生でみていたんでめちゃくちゃ懐かしくなりました...!まだ続いているんですね...!

14日目

note.com

れんこんさんの記事です。

タッチタイピング習得の前に必ず全員が手元を見ながらタイピングをする時期があると思うのですが、そのままある程度タイピング技術を習得するとどうなるのか?といったことはほとんど知られていません。ですが「非効率で打ちづらい」という本人の感想があるので、非推奨なようです。

似たような経験で自分はピアノを弾いている時、必ず手元を見ながらじゃないと弾けず、暗譜必須で練習していたのですが、ピアノも手元を見ないで楽譜を見て演奏できたらどれだけ世界が違ったんだろうと思うことがあります。視覚的な情報をどう有効活用するか?というのはタッチタイピング習得済みでも一考する余地があると思います。

タイピングの技術に関する研究もたくさん論文として公開されているので、空き時間で読んでみて知見を深めるのもいいかもしれません。

15日目

warotarock.github.io

柏崎ワロタロさんの記事です。

その1からその3までいろんな試行錯誤が書かれているのですが、その材料でマウスやキーボード、キートップが作れるのか!と アイデアに純粋に驚きました。特に、米粉タブレット端末でキーボードが作れるという発想は天才すぎます。写真からわかる手作り感がすごく好きです。

レジン製キートップも透明感が美しくて素晴らしいですね。レジンはオリジナルアクセサリーをつくるための材料として重宝されているイメージですが、キートップをつくるのに使うという発想がとても面白いと感じました。色付きにしてみたり、ラメを混ぜてみたりするとまた違った印象のレジンキートップが出来上がるんでしょうか。自作して同時に既製品のクオリティの高さに気づくのも自作勢しか感じ取れない感想で素敵な文だと思います。

16日目

pogi-blog.hatenablog.com

pogi さんの記事です。Anjera さんの言葉から始まる自身の気づきを書き連ねた記事です。

おそらく趣旨は違うと思うんですけど、ガチャガチャ速そうに打ってて実質遅いのは嫌というのは、自分も同感ですね。自分が速さよりも正確さを大事にするスタイルの原点になっていると思います*2

平均値の罠、という記述は的を射ていると思います。結局平均というのは全体をある程度ならしてわかりやすく数値化した代表値にすぎず、それ一つで自分のタイピングの癖は全く表現できていません。むしろ、pogi さんが「本当の問題はワードの中のたった一打鍵だったりする」と述べられているように、マクロではなくミクロな視点を持って自分の打鍵を解析することが、自身のスキルをより向上させる一手なのではないかなと私も感じます。

自分も脳死で量だけ練習するスタイルに懐疑的であるので、結果に一喜一憂せず、なぜこの結果が出ているのか、この結果は何を意味するのかという視点は私も大事にしたいところです。

17日目

teru-typing.hatenablog.com

テルさんの記事です。自分は結構馴染みのある陸上*3とタイピングを絡めたお話が展開されていきます。

陸上の競技の厳密性・普遍性と、タイピングのそれらの比較から入り、陸上競技の発展の歴史を調べる中で、テルさん自身が抱いていた「競技に対するルールの厳密性・普遍性」への気づきが記述されています。私も近年タイピング練習ソフトを作るようになって、競技タイピングにおいてはどのようなルールを定め、どういった記録を取れば普遍的に、かつ厳密に比較ができるのか?ということを考えていましたが、考えれば考えるほど環境の違いや技術的制約に頭を悩ませていて、厳密な定義は不可能だという気づきを得て落胆していた記憶があります(正直、ケチつける側はすごく楽だと思いますが...普遍的に通用する厳密な定義を求めると本当に難しいです)。

競技を創造していく側がむしろルールを(厳密性をある程度欠いていても)主体的に定義して、徐々に洗練させていく方針でも悪くはない、というより陸上ですらそうだったのだから、タイピングもそうしていくしかないのかなあとぼんやり薄味な感想で申し訳ないのですが新たな気づきとして得られることができました。他の競技の歴史から類推して考えてあてはめていくというアナロジカルシンキングは考察の方法として興味深いですね。

18日目

dqmaniac.g1.xrea.com

dqmaniac さんの記事です。ギリシャ語タイピングの強化について執筆されています。

ギリシャ文字は普段からよく使用しており馴染みはあったのですが、文字の種類がラテン文字と比べて多いことや、他の言語との競合もあるため、文字の認識の難しさ、配列への落とし込みの難しさといった多言語タイピングならではの難しさを感じ取ることができました。

配列の作成において、あえてギリシャ語に超特化した配列をつくらず、本来の文字の意味を一旦無視して文字の形を重視した配列を作成することですでに習得している言語との混同を回避しつつ、習得も早めるといった工夫がされていた点が具体的な工夫点の中で一番興味深くなるほどと思わされた点でした。

練習回数と成長の可視化の仕方がユニークでよかったです。多くの方は、練習記録をスクショで、それも一番いいところだけ掲載する傾向があるのですが、dqmaniac さんの場合、練習記録を点として打って各回ごとの記録も提示しつつ、全体で見れば回数を重ねるごとに成長していることがわかるグラフになっていて良いデータの残し方だなと感じました。その他、ノーミス練習の設定や制限時間の設定といった工夫や、結果に対する原因分析も詳細かつ明快で参考にしたいです。

19日目

note.com

パルキーさんの記事です。

自分自身のスキルを分析し、この領域はブルーオーシャンだから上位に立てるという見積もりと、それに対する取り組みが素晴らしいと感じました。

速度が一定あるタイパーだと、速度を落として正確性を重視すると、パルキーさんも記述されているように「なんて遅いんだ」という気持ちを抱きがちだと思いますし、私も正確性重視と言いながら実際毎回感じているのでものすごく共感しました。

3000文字弱ある文章をノーミスで打ち切ること自体が容易いことではないですし、ましてや休憩なしで一定速度を保ち続けて完走はもっと難しかったはずです。自分自身が完走できる、かつ満足できる記録を出すために「ゴールを明確に描く」ことを最初におこない、その後どうすればよいかを熟考し、諦めずに取り組まれたことが大きな結果を生み出すことにつながったのではないのかなと私は思います。

20日

note.com

issei さんの記事です。

自分自身を変えてくれる人の出会いって、人生でも稀有な経験だと思いますし、その方の言葉を大事にされて、練習に取り組まれてきたことに尊敬です。

普段の練習の改善や、全国大会を見据えての初見文章への取り組みも素晴らしいことなのですが、その後に描かれる全国大会初出場での絶望と次回大会への希望は、毎パソの大会へ真摯に取り組んだからこそ得られたかけがえのない経験だったのではないかなと感じています。

「本番で出せてこそ、本当の全国1位であり、勝負強さ、上に立つ者」。同じ土俵に立って一発勝負で決められる人が果たして何人いるでしょうか。土俵の外から眺めて口出しするのは容易ですが、そもそも土俵に立てる権利はわずか数人にしか与えられませんし、土俵上での緊張感は立った者しか経験できません。課題文のタイトルをみて難易度や内容を想像する場面や、紙をめくる音といった情景描写が会場の様子を鮮明に表しています。また、順位を呼ばれる際の緊張感なども書かれており、実際に舞台に立ってから数年経ってもこれほど鮮明に記憶に残っているので相当印象深い場面だったのかなと思います。

最後に、issei さん自身最後の大会で有終の美を飾られて本当に素晴らしいです。

21日目

teru-typing.hatenablog.com

テルさんの記事です。

タイピングサミットという大きな交流会も、Realforce Typing Championship というタイピングの大会もコロナの影響で開催されなくなり、オフラインでのタイピング関連のイベントがほとんどなくなってしまいましたが、このようにまた新しくイベントを企画してくださる方がいらっしゃって感謝の気持ちしかないです。

ハッカソンは最近の学生エンジニアだと馴染みがあるものだと思います。ちょっとしたアイデアを短期間で完成させることの喜びやそれを発信することの楽しさを味わえますし、いろんな人と交流することでモチベーションの向上や技術的な話の交換、新たな出会いが生まれて私個人としては素晴らしい企画だと思っています。企業規模によっては大きめの賞金や副賞などがつくこともあるでしょう。

一方で、ハッカソンのオフライン運営は、オンラインほど気軽に企画できるものではなく、特に金銭的コストがオフラインの方が圧倒的に多いイメージです。運営なくしてハッカソンの成功はないですし、運営経験を積むことで今後イベントを参加者としても運営側としても楽しめてお得だと思うので、ぜひみなさんも運営側として参加されることを検討してみましょう!

22日目

note.com

issei さんの記事です。れいらさんへのインタビューをまとめたものです。

オフラインの全国大会もオンラインの全国大会も優勝された方というのは非常にレアなので、双方の難しさを理解している点と、自分がどちらを得意としているかが述べられている点は面白いですね。最後の大会で順位に固執せず、過去の自分との戦いを繰り広げられていた点も純粋にかっこいいと感じました。

人伝いに心理学を専攻するということはお伺いしていたのですが、なぜ心理学なのかは知らなかったので、毎パソの全国大会を通してメンタルヘルスマネジメントに興味をもったことをこの記事を通して初めて知ることができてよかったです。心理学者を目指されるとのことで、まずは学部で基礎を積むことから始まると思いますし、そこから論文を読んで分野の素養をつけたり、論文執筆なども避けては通れないと思います。これから長期間ひとつの学問と向き合っていくことになると思われますし、将来的には学会への論文提出・発表等、大きな関門がたちはだかることが予想されますが、毎パソでの粘り強さ・継続力を活かして活躍されることを期待しています。

23日目

nigetter.hatenadiary.org

nigetter さんの記事です。

Typing (is) Nonsense での躍進後、タイプウェルのすべキー(すべてのキー)に取り組まれた様子を記録しています。最初の頃は TiN の地力をそのまま活かして過去の記録を大胆に塗り替えていく様が描かれていますが、徐々に歴代の猛者の強さを知ったり、モチベーションの維持の難しさを感じ取るなど、ある競技の上位者にしかわからない感覚が描かれるようになります。他の人の記事ではモチベーションの急上昇・急降下という様子があまり描かれず、記録達成時にスッと更新記録とともにスクショが上がるのが一般的ですが、本記事では「きつい」とか「詰まりが多くてすぐ嫌になってしまう」といった負の感情や「やる気満々マン」「いける」といったポジティブな感情が率直な言葉で描かれており、努力に伴う苦労と喜びがストレートに伝わってきます。

記録をどんどん塗り替えていく様子、モチベーションが低下した時でもわずかな可能性をアドカレの更新日まで残して練習し続けられた様子は並の人ではできないことだと思いますし、こまめに記録を取り、振り返られていることが素晴らしいと思いました。

24日目

drakscake.hatenadiary.com

自分の記事。WIP を上げただけなのでインパクトあるかといわれると正直無さそうです。

自分が毎パソ現役で全国に出ていた第6回〜第13回のころは、毎パソ特化どころか、実用練習のソフトなどほぼありませんでした*4。なので、毎パソ出る人に少しでも新しい練習方法を提供できるといいのかなと思って作ったのがひとつのきっかけです。

残りは割と自分の経験値を積むのが目的であるかもしれません。2022年は私が新卒でIT企業に入社して、初めて実務経験を積み始めた年であります。研修を通して不確実要素を減らすための設計・考察、長期運用を考えた変更に強い実装などを学びましたし、この学びをどうにか個人開発に活かしたいところです。特に、課題文を青空文庫や Project Gutenberg が提供するファイル形式から Typerary が扱える形式に自動的に変換できるツールをつくらないことには課題文の量産体制ができないですし、クラウドソーシング的に色々な人に作成をお願いすることも難しいので、機能開発よりもこの辺を早期解決したいところです。

25日目

未公開?

全体まとめ

全ての記事を読んで全てに感想をつけるという試みをしてみましたが、馴染みのない分野の話もあり、感想を書くのに相当苦戦しました。しかし、最近「すでにできること・興味のあること」しか摂取しなくなるような良くない傾向が自分に見られるため、少しでも視野を広げることができたのはよかったと思います。

全ての記事を読むと分量がえげつないくらいあるので、一気読みするとかいいつつ3日間くらい時間をとって読みました。みなさんは1日ずつこまめに読んでください...。

感想を書きながら、記事そのものへの言及ではなく「自分も〜」というような自分に関連づけた話を多く展開してしまったことも申し訳ないですが、そこは多めに見ていただけると幸いです...!

*1:具体的に言えば、いろんなタイピングゲームや練習サイト、競技そのもののを分析し、練習する基盤となるサイトやソフトを作っていったり、データ分析して記事を書くといった活動を指しています。

*2:タイプウェルやエタイに最適化しようとするとミスっても前進して最後に記録さえ出せれば良いというスタイルになると思うのですが、自分は毎パソ出身者で、日常的に利用する文章入力のスキルを高度にしていきたいと考えている人なので、ミスが多くても進めばOKというスタイルと根本的に考え方が合わないんですよね...。

*3:妹が陸上部で短距離走やっていて馴染みがあったことや、自分が中学2年の時に、体育祭のクラス代表リレー(1クラス40人中4人のみ)に陸上部3人と自分が抜擢されて陸上部顧問にバトンパスを伝授していただいたことがあったりと実は運動系の経験も少しばかりありました。

*4:記憶にある限り毎パソトレーナーしか存在していません。それも課題文は自分で入れなければいけない仕組みで、課題文を探して他の誰かに入れてもらって初めて初見課題文の練習ができるようになるもので必然的に他者の協力が必要でした。

Typerary - 文学作品をタイピング練習できるサイトを作成しています

adventar.org

本記事は、タイパー Advent Calendar 2022 の12月24日の記事となります。

前日は、おかぴらさんの 約1年tinで修行した後にすべキーやった結果wwwwwwww - 2ゲッターさんのメモ帳 が公開されています。


文学作品をタイピング練習できるサイト - Typerary

以下からサイトに飛べます。

blue-mud-0cd8a4b00.2.azurestaticapps.net

継続的に運営していくことを目指して、現在このようなタイピング練習サイトをつくっています(URLはアドカレ公開に合わせているだけで仮です)。 日本語 / 英語の両方で、毎パソに近い形態でタイピング練習ができる環境の提供を行えるように整備しています。

開発に関して

まだ開発段階で全然機能を追加できていないのですが、開発者の私が考えていることをメインに書こうと思います!

Typerary の名前の由来

Typerary は「タイプラリー」と読みます。

タイピングやタイプなどの単語を入れることを必須としていました。それらの単語が入っていれば、タイピング練習サイトであることがわかりやすいからです。 名前を考えていた当時は、和文・英文両方対応で、いわゆる実用入力(≒実際の文章を入力するように、日本語の漢字変換、BackSpace での文字消去なども込みでタイピング入力)練習するとしか設計していませんでした。 なので、「タイピング」というワードを入れるという制約はきつかったです。

その後、文学作品を取り扱うという方針が決まりました。そこから、図書館で本を探すイメージが頭に浮かんで、 Typing + Library で Typerary命名しました。

練習サイトの方針に合致していますし、音感的にもよく、覚えやすいので結構いい名前つけたんじゃないかな?と思っています。

なぜ文学作品?

練習サイトあるあるで課題文章を用意するのに多大なコストがかかるという問題点があります。 さらに長文の場合は、著作権の問題も絡んできて開発はできても課題文章が用意できないため運営が難しいことが多いです。

そこで目を付けたのが、青空文庫Project Gutenberg といったサイトです。これらのサイトでは、すでに著作権が切れているなどの理由でパブリックドメイン扱いになっている書籍を電子化したものをデータ化して公開しています。 パブリックドメインであるため、著作権の問題はクリアできています。また、そのまま生のデータを Typerary の開発データとして突っ込むことはできませんが、ある程度構造化された形式でデータが提供されていることも開発コストを下げられるのでメリットになります。

開発関連に関係しない側面についても実は考えています。

みなさんは、2022年度(令和4年度 = 平成34年度)から高等学校学習指導要領(平成30年告示)によって、高校で学ぶ国語科の内容が大きく変わったことをご存じでしょうか?私もすべては読んでいないのですが、客観的によくまとめられているのが以下のサイトだと思います。

www.sokunousokudoku.net

この学習指導要領では、「論理文学」「文学国語」「国語表現」「古典探究」の4科目が選択科目となり、今まで評論と文学を一つの科目で扱ってきた評論と文学を別々の科目で教えることになったため、学校側でどの科目を選択するかによっては文学国語を選択しないケースが出てくることが懸念されています。 本記事では、詳細については割愛しますが、私としては、文学作品を通して、登場人物の心情をくみ取ったり、文章から情景描写を描いたり、新しい言葉や表現、作者独自の世界観、時代を超えて共通する、あるいは相異なる価値観など、多くのことを学べるとてもよい機会だと考えているので、文学作品に触れる機会が学校で減ってしまうというのは残念に感じられます。また、大学入試共通テストは高校生の半分以上が受けるような大きな試験でありますし、これも「古典探究」と「論理国語」の組み合わせが選ばれやすいといわれているため、学生への影響は大きいかと思われます。

このような学習指導要領の変化に少しでも抗う意味も込めて、文学作品に絞るといった方針をとりました。

私は理系で思いっきり情報系の人間なので、この学習指導要領の変化でよく言われている「情報化社会に伴って、文章から早く正確に情報を読み取る力を育む」という方針についてはお気持ちわからなくはないのですが、情報化社会に国語科も対応していくべきなのか?と言われるとそうではないと思うんですよね...。

FoxTyping から学んだ課題

ちょうど1年前に別のタイピングゲーム(FoxTyping)をリリースしたのですが、ほかのサイトの二番煎じ感や、なんでもやってみたいという欲から目指す方向性が定まらず、1か月ほどで更新をやめてしまいました。

この経験から、文学作品 x タイピング練習(実用寄り)という方針をまずきっちり固めて方向性をぶれさせないことを第一に考えました。

次に、個人開発である以上、自分は「開発者」でもあり「運営」もやるということを考えて、設計をしっかり行いました。 設計、というのはプログラムにおけるクラスの設計を綿密に行い、将来の機能拡張に備えることがメインですが、運営をしていくにあたって、課題文の追加にどれくらいコストがかかるか、自動化できる個所はないかといった見積もりもしています。

開発しながら運営、というのは非常に大変です。社会人ともなればまともに時間が取れないのが目に見えています。きっちり開発の効率面を考えないと更新する意欲が失せて結果的に一発ネタのリリースと大して変わりないことになってしまうのでこの見積もりは大事です。

今後追加したいこと

まずは正式リリースしたら独自ドメインとって運営したいですね。 .jp とかでもいいですが、アプリなので .app とかでもいいと思っています。

次に、練習周りのインタフェースは整理したいと考えています。今は横並びで課題文と入力フォームを用意して、キーボード操作で完結するようにしていますが、制限時間や開始段落の指定など追加するとまたいろいろ変化させることにはなると思います。

また、結果のフィードバックの詳細を充実させることも考えています。現在は間違えたところを強調表示するだけにとどまっていますが、入力にかかった時間や、入力ログを要約してビジュアライズする機能など、タイピングスキルの向上につながるような良いフィードバックを提供できればと考えています。ただし、こういった指標はユーザの要望で闇雲に追加されがちなので、ある程度絞るつもりであります。

今後追加しない機能

ランキング機能はつけません。理由としては2点あります。

1点目は、ランキングの仕組みと Typerary の目指す方向性の相性が悪いからです。Typerary は文学作品を通してタイピング練習するのが目的で、タイピングのスキルで他者と競う目的は一切入っていません。 タイピングスキルを問わず、いろんな人に気軽にゆるく多くの作品に触れてほしいという思いがあるので、タイピングスキルの高い人が目立って表彰されるような仕組みを意図的に外しています。

また、命名のところで触れましたが、自分はこの練習サイトを作るにあたって「図書館」のイメージも結構大事にしています。 各々が好きなように本を探して、手に取って、自分のペースで本を読んで...といった自分の時間を大切にできる空間が図書館にはあると思っていて、それをこのサイトでは雰囲気として重視したいなと考えています。

2点目は、技術的な問題です。ランキングを導入する、ということは、ある程度客観的に測定できる定量的な指標を設けて、一定のルールに則って他者と自分の能力を評価する仕組みが整っているということであると考えています。Typerary では、いわゆる実用入力の練習方式を取り入れていますが、ローマ字入力やかな入力といった入力方式の違い、和文であれば IME の予測変換の使用の有無といった、ウェブアプリ側で制御できない項目が多々あるため、スコアといった指標を設けても、個人の環境の違いでランキングの正当性を担保できないことや、そのような基準や正当性を確保するコストに対してリターンが見合いません。チーターの存在を排除する仕組みを整えるとなるとさらにコストがかさむうえにいたちごっこになるのが見えていて、本当に作るべき機能の開発や、課題文章更新といったコンテンツのアップデートにきちんと工数を割けなくなるのも問題です。

主にこの2つの理由で入れていませんが、もっと言ってしまうと、ランキングを用意しているサイトなんてすでにたくさん存在するし、そのような営みはすでに毎パソなどが果たしてくださっていると思っているので、つけたところで差別化は図れないといったことも考えていました。

ユーザごとに練習結果を保存する機能については、どれくらい需要があるのか、それに伴ってどれくらいサーバをスケーリングするのか、あるいはクライアント側で完結させるのかといった設計が難しいため、今のところは考えていないです。

おわりに

ひとまずアルファ版のリリースをしてみました。今後はバグの修正や機能拡張、課題文追加のための支援ツールなどを作成しつつ、安定した運営ができるように土台を作っていく方針です。

本職はエンジニアですが、ウェブ開発とは関係がほとんどないため、完全趣味で手探り状態なのですが、コツコツ開発を進めていきたいと考えています。 これをきっかけに、長文・実用入力に興味持ってくれる方や、文学作品へ関心を寄せてくださる方が増えるといいな...!