新卒エンジニアのお引越し ~引っ越し荷造り・荷ほどき編~
新居への移動が終わったので、上記の「新居探し編」に続いて、引っ越しの業者手配から荷ほどきまでを簡単にまとめようと思います。
前提
新社会人として、京都から東京に引っ越します。 京都での生活は、1Kの部屋(リビング8帖)を借りて一人暮らししていました。
新居の決定自体は1月中旬ぐらいでした。その時には、引っ越しの予定日は3月上旬ごろとぼんやりしていました。 2月上旬は修士論文執筆、中旬は修士論文公聴会、2月末はオンラインで学会などがあるので、ここに引っ越しの日程をかぶせないように配慮していました。
業者探し
今回は引っ越し業者を利用しました。単身パックも考えましたが、荷物量が想定できないことや失敗すると面倒なので、安心して引っ越しできそうな選択肢を選びました。
見積もり依頼ですが、今回はインターネットで一括で業者に見積もりしてくれるサービスを利用しました。 基本的には引っ越し業者は合い見積もりを基本とすることが多いので、一括で見積もってくれるほうが便利かなと思って選択しました。
一括見積もりすると、電話で荷物量を確認し見積もりを行ったり、訪問見積もりの日程調整のメールが一時的にそこそこな量が届いたりするので注意です。
1社目はあまり名前を知らないところで、電話で大きな荷物についてチェックして、見積もり書を出してくれました。 そこでは、おおよそ8万円程度と出ていたので安く済ませそうな感じがありました。
2社目は今回引っ越し依頼したサカイさんです。営業の方が一人家に来られて、運ぶ家財について丁寧に確認をした後、日程の調整等をしました。 ここの見積もりでは、最初15万円程度と出されており、1社目のおおよそ倍となり、やや厳しいかな...とこの時点では感じていました。 営業の方に「予算はいくらくらいのつもりですか?」と聞かれたので「10万以内に収まるとうれしいです」と答えたところ、 これ以上下げるのは難しいのですが...と言われつつも、なんとか13.3万円ぐらいまで下げることができました(それでも長距離運送では安いほうなのかもしれない...)。
サカイさんは有名どころで、引っ越し業者の中では非常にサービスもよいと好評なところです。 また、1社目のところよりも安心して出せそうな感じがしたので、他社より少し高めでも合意しました。 (ちなみに、最初15万円程度になる前はもう少し高かったのですが、京大生であることや、生協加入していたことから、京大生協紹介割を適用してくれたのでこの額になりました)
見積書の内容としては以下のような感じです。
- トラックの種類は一番小さいタイプ
- 荷造り・荷ほどきは自分でやる
- 段ボール20箱、ガムテープ、袋(布団などを入れる)を無料配布
- ハンガーケース3箱無料貸し出し(服をかけたまま収納できる)
- 大型家財: ディスプレイ、電子レンジ、冷蔵庫、ソファーベッド(二つ)、座卓(折り畳み式)、ベッド(組み立て式)
1人暮らしの場合、段ボール20箱程度が梱包した時の荷物量の目安らしいです。 大型の家電・家財が多い人、荷物が多い人はトラックの種類が変わって値段が高くなる可能性もありますし、逆に物が少ない人は安くなる可能性があります。 物を減らして引っ越し費用を減らした場合、その分新しい家具を買うコストがでてくるので、ちょうどいい塩梅のところをじっくり検討することをおすすめします。
サカイさんからは、組み立てて荷物を入れてふたをしたときに、長辺 50cm、短辺 35cm、高さ 33cm 程度の大きめの段ボール(比較的軽いものを入れる用)と、 長辺 33cm、短辺 30cm、高さ 33cm 程度の小さな段ボールをそれぞれ 10箱ずついただきました。
小さいほうの段ボールがこんな感じです。
また、依頼時に荷積みを 3/7、荷下ろしを 3/9 と決定し、 その後、京都の不動産屋のほうに退去点検日を 3/8 の午前、東京の不動産屋のほうに新居のカギ受け取りを 3/8 の 18:00 と予定を組みました。
不用品の処分
処分した家財は以下のものです。
- 洗濯機
- テレビラック
- 本棚
- 学習机・椅子
- 食器棚
京大付近にリサイクル屋さんがあるので、電話で依頼して、出張で引き取りをしてもらいました。 あまりしっかり覚えていませんが、費用は以下の通りでした。
- 洗濯機: リサイクル・運搬費用 7000円
- テレビラック: 同じようなものが結構あるのでリサイクル・運搬費用 1000円
- 本棚: 歪みがあって売るには厳しいのでリサイクル・運搬費用 2000円
- 学習机・椅子: 状態が比較的良い 無料引き取り
- 食器棚: 無料引き取り
洗濯機のリサイクル費用の金額からすると若干高めについてしまったような気がしますが、急いでいたので許容という感じの金額ではあります。
荷造り
気合いをいれてひたすらやるだけです。わたしは2日間、1日あたりの睡眠時間4時間程度でやってギリギリでした。
サカイさんで見積もりをすると、引っ越しの荷造りのコツ、順番、日程などの段取りが丁寧に記載してある冊子がもらえるのできちんとそれに従ってやったほうが良いです。 この辺の説明は、他の記事のほうが詳しいので簡単に概略だけ書いておきますが、荷造りの順序としては、不用品をごみとして処分→使用頻度の低いものを梱包→引っ越し直前まで利用するものを梱包、という感じです。
荷造りと同時に、不用品の断捨離も徹底的にやりましょう。思い出があるから...などと躊躇するとひたすら荷造りの時に邪魔になってしまいます。 特に、何年前かわからないような書類などがたまっている人は、大量にごみがでることになるので、遅くても荷積みの3週間前くらいから早めに不用品の処分をやりましょう。
普段、友人を招いて宿泊させられるくらいには部屋をきれいにしているのですが、荷造りの時に物を移動したり解体したりいろいろ一度に行っているうちに、一番ひどいときは写真のような感じに部屋がものであふれかえっていました。こんな光景が広がるとなかなか終わりが見えずつらくなるので、少しずつ計画的にやりましょう...。
荷積み
荷造りは大変ですが、荷積み自体はほぼサカイさんがやってくれるので、あっさり終わってしまいます。
段ボールに梱包したものを運び出しつつ、見積もり時に申請した大型家具・家財の梱包、段ボールに入りきらなかったもの(物干し竿、大型ポスターケースなど)もサカイさんがだいたいやってくれました。
わたしがやったことといえば、当日もってきてくれる「ハンガーラック」に梱包しなかった洋服をハンガーごとかけていく作業と、簡単な指示、作業内容の確認と署名くらいです。
会社から引っ越し手当てが出る場合は、この時に忘れずに領収書をもらいましょう。 わたしはすっかり忘れてしまっていて、あとから電話をかけて送ってもらいましたが、この時にもらえたほうがスムーズです。
退去点検
不動産屋さんの方が訪問し、設備の確認などを行い、敷金からクリーニング費用などを差し引いた額を見積もって精算をします。 また、この時にカギを返却します。
大学学部生~大学院生の6年間お世話になった部屋だったので、立ち去るときは名残惜しさがすごかったです。
荷下ろし
これもほとんどサカイさんがやってくれます。 どこに荷物を下ろすかの指示、ハンガーラックから衣服の取り出し程度しかわたしはやっていません。
ベッドは組み立て式だったのですが、配置と組み立てまで行ってくれたので大変助かりました。
荷下ろし後の部屋はこんな感じです。
荷ほどき
荷造りに対して荷ほどきは楽な印象です。 荷下ろしが午後4:30くらいであったことや、京都から東京への移動などの疲労もあるので、荷下ろしした日は寝床の確保を最優先でやりました。
サカイさんの段ボールには中身を記載する欄が設けられているため、それを参考に段ボールをあけていけばうまくいきます。
段ボール自体は、連絡するとサカイさんが引き取ってくれるので引き取り期日までに荷ほどき、連絡を行いましょう。 ←無料で引き取ってくれると説明があったのですが、電話で引き取り連絡をしたところ、有料かつ繁忙期に重なって引き取りが遅くなるため、自治体の段ボール処理方法に従って捨てたほうが無料で、かつ手間がなくて済むという案内になりました。
繁忙期に重なっているとこの辺の日程がタイトになって厳しくなります。
Tips
引っ越し自体は特に問題なく済みましたが、以下の点は考えたほうがよさそうだなと思いました。
引っ越し日程
3月中旬以降は繁忙期で、費用が数万単位で変わってくるので回避すべきです。
今回は、引っ越しの約1か月前(2月上旬)に見積もりを依頼しましたが、それでもトラックの台数的にはかなりギリギリで、慎重に相見積もりをする暇がなかったです。 なので、新居が決定次第、なるべく早く見積もりに出すことをおすすめします。
京都ー東京間では、基本的に早くて荷物を積んだ日の、次の次の日に到着らしいです。次の日に到着してほしいという日程で組むのは不可能だと思います。
引っ越し業者
今回は、有名どころであるサカイさんに依頼したので、安心感は大きかったです。 訪問見積もりの際に、他社の見積書を見せたら「いくらなんでもこの安い業者さんは適当では...」という感じだったので、引っ越しに慣れていない人は電話見積もりはやめたほうが良いと感じました。
引っ越し業者によっては、事故率がそれなりに高いところもあったり、見積もり時には安かったけど、後々何かしらの追加料金が発生する場合があったりするようです。
持っていく家具・処分する家具
引っ越しの見積もりをする際には、必ず大型家具について聞かれます。どの家具を持っていき、どの家具を処分するかを必ず決定しましょう。 ここがあいまいだと、あとから追加で大型家具を持っていくとなった場合に、追加料金が発生してしまう場合があります。
それならまだいいですが、家具の処分をする暇がなくなり、粗大ごみを放置して周囲の住民に迷惑をかけたり、最悪不法投棄として警察沙汰になる可能性もあります。
粗大ごみの処分は、普通のごみと異なり、何かしらの手続きが必要だったり、業者に頼む必要があるので、引っ越し時に必ずチェックしましょう。
現金を多めに持っておく
自宅に来てもらって大型家財を処理する場合、キャッシュレス支払いに対応していないケースが多いです。 家電、家財のリサイクル料・運搬料を支払うために、多めに現金を持っておきましょう。
どこで寝る問題
荷造り時はベッドを解体せずに寝床を確保していました。
荷積みが 3/7、退去点検が 3/8 なので、3/7 の夜はどこかに宿泊しないといけないのですが、費用節約のために、貴重品以外を部屋に放置して、所属研究室の学生部屋に宿泊しました。 学生部屋にはソファーと枕、毛布があるので下手にネカフェ泊まるよりも快適です。
と、このような感じで何かとうまくやりましたが、まだ引っ越していない友人宅に泊めてもらう、ネカフェに泊まる、寝袋を活用して部屋に泊まる...といったいろんな方法がありそうです。
ごみ関連
退去点検時には部屋に物は残さないようにし、部屋の清掃もある程度済ませておくのが基本です。
粗大ごみの回収は、業者に出張して引き取ってもらう、粗大ごみ処理券を購入して市に回収依頼をするなどの方法がありますし、引っ越しシーズンには処分しないといけないという意識が出てくるので、早めに対応しやすいと思います。ここで盲点となるのが家庭ごみです。
燃えるごみ、ペットボトル・かん・びん、段ボールなどの家庭ごみは、荷造り終わるまで出る可能性が高く、計画をもって捨てないと、退去日に残ってしまいます。 わたしの場合は、退去日の朝がたまたま燃えるごみの回収日であったことや、ペットボトルなどのごみは、もともと持ち運んでいた飲料ぐらいだったので何とかなりました。
立つ鳥跡を濁さず、ですから、必ずごみは計画的に捨てましょう。捨てきれなかった場合は、おそらくゴミを撤去する費用などを要求されることになり、余計な出費が発生してしまいます。
清掃用具
退去点検時までには部屋の清掃もしないといけないのですが、荷積み後に部屋を清掃しよう!と意気込んだ時に、清掃用具がない、と焦る人もでてくるかなと思いました。 わたしは、手元に一枚だけ雑巾を残しておき、それで床掃除をした後、退去点検日の朝が燃えるごみの回収日だったので、雑巾もごみと一緒に処分するという形でうまくやりました。
引っ越し業者によってはもしかするとクリーニングサービスみたいなのがついているかもしれません。
カーテンは重要
カーテンを処分した場合、荷下ろしの日にカーテンが届かないとプライバシーがない状態で生活することになってしまうので注意が必要です。
わたしは内見時にカーテンサイズを測定し忘れていたので、荷物として持っていきました。 カーテン自体まだ全然きれいで、サイズがぴったり、部屋の色にもマッチしているので結局そのまま使っています。
パンダセレクションズ
今回の引っ越しでは、サカイさんを利用しましたが、見積もりの時に家具のカタログをいただきました。 このカタログで家具を注文すると、引っ越しの受付ナンバーと紐づけてくれて、引っ越しの当日に注文した家具も同時にそろえることができるそうです。
今回わたしはこのサービスに気付くのが遅れてしまったので、単純に洗濯機を購入するだけにとどまってしまいましたが、引っ越した初日から家具がそろって設置もやってくれるとなると手間が省けて便利だと思うので、家具の買い替えを検討している人はぜひ利用することをおすすめします。
トータル費用
引っ越し関連でかかった費用はおおよそ以下の通りです。
- 引っ越し業者への荷積み、運搬、荷下ろし依頼: 13.3万円
- 大型家具・家電・自転車・ごみ処分費用: 1.1万円
- 京都から東京までの交通費(新幹線・自由席・学割): 1.1万
- 宿泊費(ネットカフェ): 2千円
おおよそ 16万円くらいかかった感じですね。
新居の初期費用が 35万円くらいだったのでトータル 50万円くらいでしょうか。 新しく家具を買うのもあるため、それも含めると約 65万~70万円程度かかる見込みですね。大金が吹っ飛ぶ。
終わりに
今回の引っ越しはすべて一人でやりましたが、非常に大変でした。
新居探しと比較してやることが膨大なので、計画的にやることが大切です。大変いい経験になりました。
10万打鍵すると指への負担はどうなるのか?~タイプウェル基本常用語Rを例に~
今回のタイピング分析記事は、「指の負担」をテーマに簡単な分析を行ってみました。
分析に至った背景
「運指最適化」(あるいは単に「最適化」)と呼ばれるテクニックが、タイパーの間で非常にポピュラーになってきました。 運指最適化とは、簡単に言うと「タイピングの打鍵速度を向上させるために、単語に応じて打ち方や指の運び方を使い分けること」です。いくつか例を書いておきます。
例1: 「ん」+(ア行、ナ行、ヤ行)では、「ん」を打つときに nn か xn か選択できますが、指の負担を減らすために xn を打つ。
例2: 「か」は ca、kaの2通り、「じ」は zi、ji があるが、直前の文字に応じてこれらを使い分ける。 「かんじ」という単語について、打ち方を羅列すると kanji、kannji、canji、...、cannzi といろんなパターンがある。 左右の手に負荷が分散してなおかつ打ちやすいものを選択する一例として canji と打つ。 ここで、ホームポジションの場合、n と j は右手人差し指で打鍵することになるが、n→右手人差し指、j→右手中指、i→右手薬指と置くことで、よりスムーズに打鍵することが可能となる。
一方で、自分自身でもそうですが、この運指最適化は「なんとなくこれが打ちやすい」という経験に頼ったものになっているケースが多いです。
そこで、既存のワードセットを活用して、自分の現在の打鍵がどのようになっているのかを簡単にでも分析することで、どの運指最適化を積極的に採用すべきかについて基準として参考になるものを見つけられたらよいなと考えてみました。
実験の問題設定
実験の内容について説明します。
タイプウェル基本常用語(日本語)のワードセットを利用し、10万打鍵した場合、手にどのような負担がかかるかをシミュレーションしました。 具体的には、タイプウェルの基本ルール同様に400打鍵打ち切りを1セットと定義し、これを250セット繰り返して累計10万打鍵した場合、どのキーを何回打つかを計測しました。
今回の分析を行うにあたり以下の仮定を立てておきます。
運指最適化を全く使用していない
運指最適化のレパートリーは、指を変えるパターン、文字を変えるパターン、あるいはそれらを組み合わせるパターンなど非常に多く、この運指を採用した場合、しなかった場合で逐一比較すると、いきなり問題設定が複雑になり、非常に見通しの悪い分析となってしまいます。 そこで、自分が運指最適化を行っていない場合の分析を行うことで比較基準をつくります。
具体的には、
- 最も打鍵数が少なくなるように打つ
- 「か」「く」「こ」はそれぞれ ka、ku、ko 固定
- 「し」「せ」はそれぞれ si、se 固定
- 「ふ」は fu 固定
- 「ん」は nn 固定
としておきます。
ホームポジションを崩していない
画像: みんなの運指表(http://unsi.nonip.net/)より引用
ホームポジションとは上図のように、
- 左手小指: 1、Q、A、Z
- 左手薬指: 2、W、S、X
- 左手中指: 3、E、D、C
- 左手人差し指: 4、5、R、F、V、T、G、B
- 親指(両方): スペースキー
- 右手人差し指: 6、7、Y、H、N、U、J、M
- 右手中指: 8、I、K、,(コンマ)
- 右手薬指: 9、O、L、.(ピリオド)
- 右手小指: 0、P、;(セミコロン)、/(スラッシュ)、-(ハイフン)など
と分担する運指のことです。 自分の運指がかなりこれに近いので今回の分析ではこれを採用します。
分析結果
まず、400文字、250セット行った時の各アルファベット、スペースキー、ハイフンの打鍵頻度は図1のようになりました。 各キーについて250回分データがあるので、箱ひげ図としてプロットしてあります。
累積打鍵回数にしたものが図2です。
スペースキー(一番左の箱ひげ図)がそこそこの頻度なのはタイプウェルの仕様上まあ自明かなとは思えます(ちなみにスペースキーの回数でだいたい何単語打たされているかがわかります)。
日本語を打っているので a、i、u、e、o の頻度がそれなりにあるのですが、e の頻度がほかの母音に比べて低いでしょうか。
子音に着目すると、k、n、r、s、t あたりが多いですね。 運指最適化をしていない状態であることを考えると、この辺の打鍵頻度が高い子音については運指の考察をしたほうが良いかなと思います。
図3 はホームポジションで10万打鍵打った場合、どちらの手でどれだけ打つかの割合を円グラフにしたものです。スペースキーは左右に分類が不可能だったのでカウントしていません。
左手が 37,790 打鍵、右手が 48,949 打鍵となり、やや右手のほうが負担が大きいという結果になりました。 しかし、左手の母音が a と e、右手の母音が i と u と o となっていることや、母音の打鍵数が支配的になっていそうな気がします。
そこで、子音とハイフンのみの場合も出してみました。
子音とハイフンのみだと、左手が 21,747 打鍵、右手が 21,590 打鍵となり、ほぼ同じなんですね。
今回計測に含めたものだと、左手が Z、W、S、D、R、F、T、G、Bの9種類、 右手が Y、H、N、J、M、K、P、ハイフンの8種類で種類数には差はありませんが、 図2の累積打鍵数を見てもそれなりに打鍵数に差があるので意外と非自明な結果に思えます。
最後に、指ごとの打鍵数を表してみます。
ピアノ運指の番号にならって、左手小指(L5)、左手薬指(L4)、左手中指(L3)、左手人差し指(L2)、親指(1)、 右手人差し指(R2)、右手中指(R3)、右手薬指(R4)、右手小指(R5) とつけました。
右手人差し指の負担が大きいでしょうか。
タイプウェルではコンマやアラビア数字が出てこないので、右手中指が i と k だけで他の指よりも打鍵数が多いのもなかなか面白い結果になっているように感じます。
future work 集
やるとしたら、という感じの future work なんですけど、正直実装コスト的な話であまりやる気になってない問題たちです。
今回の分析では、複数入力パターンがある場合を一切考慮していませんが、これについても考察していく必要がありそうですね。 ただし、ルールベースで「この単語の時はこっち」「この場合はあっち」「例外としてこの時はこれ」という風に羅列していくと非常に分析が難しくなってしまいます。
(「じゅ」で zyu と打つパターンと ju と打つパターンとかやりだすともう例外まみれになって実装したくなくなりますね...。確率的なモデルとか用いるとその辺うまく処理できそうな気がしますが、あんまりいいものが思いつきません)
今回の実験では、打鍵数のみに着目しているので、単語のまとまり、前後のつながりなどは全く考慮していません。
また、タイプウェル基本常用語(日本語)を用いた分析結果であるため、ほかのワードセットの場合、全く異なる結果が出る可能性が大いにあります。特に、ランダムな文字列を打つようなタイピング練習ソフト、サイトでは、ほとんど役に立たない結果になると思われます。 ほかのワードセットやコーパスで試してみたい方は頑張ってください。
(とはいえ、タイプウェルのファンはいまだにそこそこいるので、伸び悩んでいる人へいいデータを提供したとも言えそうな気がしますね)
まとめ
せっかくの3連休を有効活用したいとのことで、アイデア出し、実験、ブログ執筆まで6時間程度で雑に自由研究をしてみました。
本記事では、タイプウェル基本常用語を10万打鍵打つとどの指(手)にどれくらい負担がかかるのかを算出しました。 結果の解釈は人それぞれになると思いますが、タイプウェルの攻略や、運指最適化の一指標としてこのデータを活用していただければなと思います。